【WE ARE BORDERLESS】YUI

- 境界線を持たないライフスタイルを選択したわたしたちの生き方 -

人生に境界線はない

時代の移り変わりと共に
新しい働き方が模索され
ライフスタイルの選択肢が増え
多様な価値観が受け入れらようになったいま

既存の枠に囚われない
ひとりひとりが自分らしくいられる
柔軟なライフスタイルが少しずつ注目されている

この連載はそんなライフスタイルを送る方たちにフォーカスし、
インタビューを通して見えてくる新しい価値観、
その出会いとストーリーを解き明かす

- 境界線を持たないライフスタイルを選択したわたしたちの生き方 -

人生に境界線はない

時代の移り変わりと共に
新しい働き方が模索され
ライフスタイルの選択肢が増え
多様な価値観が受け入れらようになったいま

既存の枠に囚われない
ひとりひとりが自分らしくいられる
柔軟なライフスタイルが少しずつ注目されている

この連載はそんなライフスタイルを送る方たちにフォーカスし、インタビューを通して見えてくる新しい価値観、
その出会いとストーリーを解き明かす

- 境界線を持たないライフスタイルを選択したわたしたちの生き方 -

人生に境界線はない

時代の移り変わりと共に
新しい働き方が模索され
ライフスタイルの選択肢が増え
多様な価値観が受け入れらようになったいま

既存の枠に囚われない
ひとりひとりが自分らしくいられる
柔軟なライフスタイルが少しずつ注目されている

この連載はそんなライフスタイルを送る方たちにフォーカスし、
インタビューを通して見えてくる新しい価値観、
その出会いとストーリーを解き明かす

YUI KOBAYASHI  小林ゆい

お住まいBrooklyn, NY

職 業経営者

趣 味ちいかわグッズ集め

好きな食べ物丸ホルモン

座右の銘
人にやさしく、自分にもやさしく

YUI KOBAYASHI 小林ゆい

お住まいBrooklyn, NY

職 業経営者

趣 味ちいかわグッズ集め

好きな食べ物丸ホルモン

座右の銘
人にやさしく、自分にもやさしく

YUI KOBAYASHI  小林ゆい

お住まいBrooklyn, NY

職 業経営者

趣 味ちいかわグッズ集め

好きな食べ物丸ホルモン

座右の銘
人にやさしく、自分にもやさしく

第5回目は、アメリカ・ニューヨークをはじめ世界中で人気爆発中の
キャンドルアーティスト・YUIさんにインタビュー。
旦那さんと一緒にニューヨークに移住し、コロナ禍でキャンドル作りをはじめたというYUIさん。
明るくて話す人誰もを魅了してしまうような人柄を持った彼女が、
制作活動を始めたきっかけ、アメリカでのリアルなライフスタイル、
人気の背景にある笑いあり、涙ありのストーリーとは?

第5回目は、アメリカ・ニューヨークをはじめ世界中で人気爆発中の
キャンドルアーティスト・YUIさんにインタビュー。
旦那さんと一緒にニューヨークに移住し、
コロナ禍でキャンドル作りをはじめたというYUIさん。
明るくて話す人誰もを魅了してしまうような人柄を持った彼女が、
制作活動を始めたきっかけ、アメリカでのリアルなライフスタイル、
人気の背景にある笑いあり、涙ありのストーリーとは?

第5回目は、アメリカ・ニューヨークをはじめ世界中で人気爆発中のキャンドルアーティスト・YUIさんにインタビュー。

旦那さんと一緒にニューヨークに移住し、コロナ禍でキャンドル作りをはじめたというYUIさん。明るくて話す人誰もを魅了してしまうような人柄を持った彼女が、制作活動を始めたきっかけ、アメリカでのリアルなライフスタイル、人気の背景にある笑いあり、涙ありのストーリーとは?

Q1. YUIさんがニューヨークに移住した理由は?

主人に出会って2ヶ月でプロポーズされ、彼が沖縄へ転職することが決まった3ヶ月のタイミングで結婚し、その後また仕事の関係でニューヨーク行きが決まったからです。結婚・移住と決断が早いと驚かれることもありますが、結婚するならこの人だと思っていたので全く迷いはありませんでした(笑)

Q2. 決断早すぎる!最初からぶっ飛んでますね(笑)結婚や移住って人生に大きな影響を与えるイベントだと思いますが、迷わなかった理由はありますか?

 元々本能のままに生きていて、自分がやりたいと思ったらやる性格なんです(笑)もし結婚という選択肢が間違っていたとしたら、離婚することって悪ではないと思いますし。

あとは自分が社会不適合者だと思っていて(苦笑)日本で働いているときは同じ時間に起きて、同じ時間にお昼を食べたりすることが苦痛でした。だから専業主婦になって気ままに生きたいと思っていたこともあり、沖縄についていくことを決めました。沖縄では時間がたっぷりあったので1日8時間、夢中になって貝を拾っていたことも。

でも元々人に認めてもらいたいという気持ちが強いタイプで、専業主婦だと家でしか認めてもらえないと感じてしまって。働くのが嫌で仕事をやめたけど、結局働きたくなって、沖縄でデザイナーの仕事を始めました。

Q3. 沖縄ということはリモートでデザイナーの仕事?詳しく聞かせてください!

元々東京で働いていた頃はマーケティングとプロモーション分野で働いていたのですが、小学生のときから趣味でウェブサイトを作ったり自作の待受画像を作るのが好きでした。その流れでサイトのアイコンやバナーの制作を任せてもらうことがあり、デザインの仕事もしてみたいなと思っていたところ、沖縄へ帯同することになり専業主婦になったのでフリーランスでグラフィックデザインの仕事をはじめました。

Q4. それから旦那さんと一緒にニューヨークに移住されたんですね。ニューヨークは刺激的かつ多様性も尊重されていてオープンなイメージだけど、実際はどんな街ですか?

その通り刺激的で多様性が尊重されているな、と日々感じます!逆に当たり前になりすぎて、アメリカの田舎や日本へ行った時に違いにびっくりします。例えば私の住んでいるブルックリンでは男性がスカートを履いていたり、脇毛がボーボーの女性がいたり、日本ではあまり見かけない人がいますが誰も見向きもしません。近所のヘアサロンはジェンダーフリーを謳っていて、男女関係なく髭剃りもカラーも全てそこで行えるようになっています。古着屋さんには男性コーナー、女性コーナーの概念がそもそもありません。

それから、わたしが唯一知っていたアメリカのライフスタイルはゴシップガールだったので、あのままの生活ができると思っていてかなりギャップがありました(笑)実際はお金もないし、アパートの審査も厳しかったので、トイレを使うとお風呂から排水が逆流してくるようなボロ屋に住んでいました(笑)でも映画の主人公になった気持ちで、そこから頑張ってマンハッタンの夜景が見渡せるところにいつか住むんだ!って箒持って床掃除しながら楽しく妄想してましたね(笑)今は自分が大好きな街、ブルックリンに住めているので幸せです。

Q5. ニューヨークに移住してから大変だったことは?

永住権の取得です。わたしたちは主人の「最先端の場所でエンジニアとして働きたい」という夢を叶えるためにアメリカに来ていたので絶対に永住権を取りたいという目標がありました!

試行錯誤した結果、私のデザインの仕事ベースで永住権が取れそうということがわかり、3年間かけてグリーンカードを取得しましたがこれがかなり大変でした(苦笑)いい弁護士を探すところから始まり、いろんな人に聞いて実際に相談したところ、一人だけ、”あなたが頑張ればいける”と言ってくれた人がいて、その人にお願いすることに決めました。そこからメディアにでたり、個人事業主から法人化したり、日本でPOP UPをしたり。とにかくアーティストとしての既成事実を作りました。

ちなみにアーティストグリーンカードの申請中、グリーンカードの抽選にも当選し、まさかの2つ永住権を申請するというかなりレアな出来事がおきました(笑)

Q6. 長い道のりだったけど諦めず頑張った甲斐がありましたね!YUIさんは小さい頃から作ったり、デザインしたりとクリエイティブなことが好きだったのですか?

はい、幼稚園の頃にお店屋さんごっこをするのが大好きでした。自分が粘土や折り紙で作ったかわいいものを誰かがおもちゃのお金で買ってくれるというのがたまらなく好きだったんです。今でもイベントなどに出店すると、あのときのドキドキワクワクが蘇ってきます!

Q7. キャンドルを作りはじめたきっかけは?

デザインの仕事はパソコンの中で完結することが多くて実際に触れることができない。触れられても平面。それがなんだか寂しくて、自分の好きな世界観や色を立体的に表現できるものを作ってみたくて、趣味で家のキッチンでキャンドルを作りはじめました。

何か作ってみたいと思ったのは、当時は若いアーティストが多く住んでいるエリアにいて、”自分もその一員になりたい、アーティストたちと仲良くなりたい” という気持ちがあったからです。電動のキックボードでリュック背負ってキャンドルを配達する姿は珍しがられたし、スモールビジネスをサポートする風潮もあって、周りのアーティストや友達がインスタで宣伝してくれました。近所のアジア人が面白いこと始めたぞって(笑)

Q8. 家のキッチンからスタートしたんですね!そこから人気がでたきっかけは?

作りはじめて、1~2週間でオーダー数がどんどん増えていきました。コロナ真っ只中だったので、家で使えるものが欲しいという需要があったんじゃないかと思います。でも大きなビジネスチャンスになったのは、ある注文とハプニングがきっかけでした。

ある日、近所の人からキャンドルを頼まれたんですが、英語が全然わからなくて、受け渡しは後日だと勘違いしていたらその日で!ドアの下で30分も待たせていました。慌てて家の下まで降りて、注文したキャンドルとお詫びのキャンドルを持って謝ると、相手は全然怒ってなかったんです。”英語勉強中なんだよね” って言ったら、私も別の国から来たから大変なのわかるよって言ってくれて。それがファッションブランドのMadewellの社員さんで、彼女が社内で取り扱いたい商品としてキャンドルを推薦してくれたおかげで店舗で取り扱ってもらえるようになりました。人の温かさに触れた出来事でしたね。今でも彼女には感謝しています。

Q9. お二人のやりとりが思い浮かんでほっこりしました。言語のこともあるし、海外で働くってハードル高そうと思っていましたが実際はどうでしょうか?

よく言語を習得してからじゃないと海外に行くのは難しいと言われるけど、もしやりたいことがあるなら、まずそっちを先にやったほうがいいとわたしは思っています。実際に、その状況に自分をおくと語学はなんとかなるんです!(笑)勝手に身に付いてくる。

わたしも初めは、勉強するために語学学校も通いましたが、中途半端な英語になるんだったらと思い直し、翻訳サービスを使っています。取引メールはオンライン翻訳サービスのDeepLを使ったり、オンラインミーティングする際は通訳を頼んだりしています。

Q10. 英語が話せなくても現地で立派にお仕事ができていること、勇気がもらえますね!アメリカで実際に働いてみて、日本での働き方と違いを感じることはありましたか?

日本ではお客様は神様という風潮があって自分自身もそう思っていましたが、アメリカではお客様とわたしたちは対等という考え方で、そこが一番変わりました。

あとは、アメリカではスモールビジネスやクリエイターがとても尊重されていると感じます。例えばMadewellは、仕事の取引だけじゃなくてスモールビジネスに対して助成金を払ったりサポートも一緒にしてくれたりします。

それは個人のお客さまでも変わらなくて。過去に注文で色を間違えたことがあって、完全に自分が悪いんですが、それを指摘するメールですらとても優しいんです。「あなたのビジネスを尊敬していて、ひとつひとつ手作りしていてすごいと思います。ただ、わたしが頼んだ色とは違うような気がするので確認してくれますか?」というような聞き方をしてくれる。わたし自身も人に対して丁寧に接することを学びましたね。

Q11. 伝え方ひとつで本当に印象が変わりますね。わたしも勉強になります!キャンドルビジネスを立ち上げてから今までで、心に残っている出来事はありますか?

初めてのサンプルセールを開催した時に長蛇の列が出来たことです。わたしは英語もほとんど話せないし、特におしゃれでもないしイケてるわけでもない。それでもブッシュウィック*の若者たちがわたしのキャンドルのために列をなしているのを見た時に、本当に感動しました。やっと自分の居場所ができた気がしました。だからブルックリンが大好きだし、今後もブルックリンで一生暮らしていきたいと思っています。

*ブッシュウィックはニューヨーク・ブルックリンにある地区。マンハッタンから移り住んだアーティストが多く、ストリートアートが有名な街。

Q12. 自分が作ったものが人種や国境を超えて受け入れられている、とても感動しますね。キャンドル制作のインスピレーションはどこから得ていますか?

基本的にはサンリオや90年代のアニメのようなパステルカラーが好きなので、そこから着想を得ていますが、旅がインスピレーションになることもあります!先日もハワイでみた波のような形がかわいいなと思い、帰ってきたからすぐに3Dデザイナーに相談し、その形のキャンドルを作りました。作るまで何だかわからなかったのですが(笑)サーフフィンというサーフボードの下に取り付けるパーツをイメージした作品が出来上がりました。

Q13. キャンドルビジネスをはじめて大変だったことはありますか?どうやって乗り越えましたか?

最初はただただキャンドルを作ることに夢中で仕事を引き受けすぎてしまい、人に頼ることができず一人でいっぱいいっぱいになってテンパってしまう自分がいました。でもある出来事をきっかけに頼れるようになりました。

1人長く働いてくれているスタッフがいるんですが、もともと友達だったので、関係性を崩したくなくて仕事のことで言いにくいなと感じていた時期があって。でも勇気を出して一度腹を割って話したら、意外とすんなり受け入れてくれて、逆にもっとこれからも言ってほしいって言ってくれて拍子抜けしたんです。お互い信頼できる関係になって、バイトやインターンの子の間に入ってリーダーとして動いてくれるようになりました。話すことは勇気がいりましたが、経営者として、人として成長できたと感じる出来事でした。

Q14. とても素敵なエピソードです!いいチームを作れると今後がますます楽しみになりますね!キャンドルビジネスの展望や目標はありますか?

もっと広げていくの?大きくするの?楽しみだね!と言ってもらえるのはとってもありがたいのですが、それは実はそんなに望んでないんです。なるようになるかなと思っていますが、今はお客さんが自分でデザインしたオリジナルの型でキャンドルを作れるような、3Dプリントでオリジナルの型を作れるようなプロジェクトを進めています。グリーンポイントでいつか実店舗をやるのも夢です。

最終的には幸せであれば何でもいいです!

Q15. YUIさんが幸せって感じる時はどういう時でしょうか?

なかなか周りには理解してもらえないので伝えるのが難しいですが(笑)五感を感じられるときが幸せって感じます。でも自然の中にいたいとか、田舎で幸せを感じたいということではないんですよね。

難しいですが、例えば家から最寄り駅まで10分歩くとき、心の余裕があるときは道を歩いているといろんなことを感じられるんですよね。パンの匂いがしたな、あの猫よく見かけるなとか。でも仕事で忙しい時とか、精神的に余裕がない時って、その10分間歩いていても実は周りが何も見えていないんですよね。何があった、どんな匂いがした、何が聞こえたとか覚えてない!頭がいっぱいいっぱいでいつの間にか駅に着いている。

だから自分が生きてる場所のことを感じる余裕があるって素晴らしいと。道が泥くさいな〜〜とかいい体験じゃなくてもいいんです(笑)とにかく心に余裕がないとなにも感じられないので意識して余白を作って感じられることが一番幸せだなって思います。

Q16. とても共感!余白って大事ですよね。わたしも仕事は8割とか、いっぱいいっぱいにならないようにセーブしています。YUIさんの理想のライフスタイルはありますか?

いまは仕事に対して満足感があるので、家族を大事にしていきたいです。わたしはあまり家事をしないので、主人に恩返しができるようになりたいです。主人は家事と仕事をこなしながら大学へ通ったり週末はフルマラソンを走ったりと本当に尊敬できる人間なんです!だからわたしも尊敬してもらえるような人間になりたいと思って必死に働き、人間を磨いてきました。

それが最近、ライバルじゃなくて良いパートナーになりたいなと思うようになったんです。今まで家庭を顧みずに働いてばかりだったので、もっと寄り添える関係になりたいなと思ってきました。今後のライフスタイルは主人とも相談しながら模索中です。

Q17. 旦那さまの見方がライバルからパートナーへ変化したんですね!その気持ちの変化が起きたきっかけは?

主人に自分が追いついた気がして、自分自身に対して満足したのがきっかけだと思います。多分主人にとっては常にわたしのことをライバルとは思ってなくて対等な関係だったと思いますが(笑)なぜか自分の中ではずっとライバルだと思っていたんですよね。

キャンドルに関しても彼がお金を出している訳ではなくて一人で始めたこと。それが思いがけずうまくいったことに自分も自信がついて、認めてもらおうって、そんなに頑張んなくてもいいんだって、やっと精神的に落ち着きました。

それまでは、自立してたりお金を稼いでることがすごいことで、取材でもそういう部分でスポットライトを浴びることが多かったですが、最近そうじゃないことに気づきました。主人もずっとそう望んでいたみたいですが、大切なのは仕事でも日々の生活でも自分が自分らしく幸せにいられること。 今はお互いにそういう形を見つけられたことがよかったと思います。

Q18. 共感〜〜!わたしも結婚しているので、うまくいく関係を築くのに試行錯誤することもありますが、お互いが自分らしくいて尊重できる関係が理想ですよね。幸せの尺度って本当に人それぞれ。とても素敵なお話ありがとうございました。最後に、このインタビュー記事の読者のみなさまにメッセージをお願いします!

ニューヨークはエネルギッシュで鬱陶しい街です(笑)アーティストもウォール街を歩くエリートサラリーマンも、ホームレスでさえギラギラしていて輝いて見えます。

特にやりたいことがない人も、夢や目標がある人も、この街にいるとみんなが背中を押してくれます。あなたは大丈夫だよ。あなたはできるよって後押ししてくれます。

今の自分に満足していない人は、とりあえずニューヨークへ来てみてください。
ビザとかお金とか英語力とかそんなのどうでもいいからまずはとにかく来てみてください。
きっとニューヨークがあなたの背中を押してくれます!

Q1. YUIさんがニューヨークに移住した理由は?

主人に出会って2ヶ月でプロポーズされ、彼が沖縄へ転職することが決まった3ヶ月のタイミングで結婚し、その後また仕事の関係でニューヨーク行きが決まったからです。結婚・移住と決断が早いと驚かれることもありますが、結婚するならこの人だと思っていたので全く迷いはありませんでした(笑)

Q2. 決断早すぎる!最初からぶっ飛んでますね(笑)結婚や移住って人生に大きな影響を与えるイベントだと思いますが、迷わなかった理由はありますか?

 元々本能のままに生きていて、自分がやりたいと思ったらやる性格なんです(笑)もし結婚という選択肢が間違っていたとしたら、離婚することって悪ではないと思いますし。

あとは自分が社会不適合者だと思っていて(苦笑)日本で働いているときは同じ時間に起きて、同じ時間にお昼を食べたりすることが苦痛でした。だから専業主婦になって気ままに生きたいと思っていたこともあり、沖縄についていくことを決めました。沖縄では時間がたっぷりあったので1日8時間、夢中になって貝を拾っていたことも。

でも元々人に認めてもらいたいという気持ちが強いタイプで、専業主婦だと家でしか認めてもらえないと感じてしまって。働くのが嫌で仕事をやめたけど、結局働きたくなって、沖縄でデザイナーの仕事を始めました。

Q3. 沖縄ということはリモートでデザイナーの仕事?詳しく聞かせてください!

元々東京で働いていた頃はマーケティングとプロモーション分野で働いていたのですが、小学生のときから趣味でウェブサイトを作ったり自作の待受画像を作るのが好きでした。その流れでサイトのアイコンやバナーの制作を任せてもらうことがあり、デザインの仕事もしてみたいなと思っていたところ、沖縄へ帯同することになり専業主婦になったのでフリーランスでグラフィックデザインの仕事をはじめました。

Q4. それから旦那さんと一緒にニューヨークに移住されたんですね。ニューヨークは刺激的かつ多様性も尊重されていてオープンなイメージだけど、実際はどんな街ですか?

その通り刺激的で多様性が尊重されているな、と日々感じます!逆に当たり前になりすぎて、アメリカの田舎や日本へ行った時に違いにびっくりします。例えば私の住んでいるブルックリンでは男性がスカートを履いていたり、脇毛がボーボーの女性がいたり、日本ではあまり見かけない人がいますが誰も見向きもしません。近所のヘアサロンはジェンダーフリーを謳っていて、男女関係なく髭剃りもカラーも全てそこで行えるようになっています。古着屋さんには男性コーナー、女性コーナーの概念がそもそもありません。

それから、わたしが唯一知っていたアメリカのライフスタイルはゴシップガールだったので、あのままの生活ができると思っていてかなりギャップがありました(笑)実際はお金もないし、アパートの審査も厳しかったので、トイレを使うとお風呂から排水が逆流してくるようなボロ屋に住んでいました(笑)でも映画の主人公になった気持ちで、そこから頑張ってマンハッタンの夜景が見渡せるところにいつか住むんだ!って箒持って床掃除しながら楽しく妄想してましたね(笑)今は自分が大好きな街、ブルックリンに住めているので幸せです。

Q5. ニューヨークに移住してから大変だったことは?

永住権の取得です。わたしたちは主人の「最先端の場所でエンジニアとして働きたい」という夢を叶えるためにアメリカに来ていたので絶対に永住権を取りたいという目標がありました!

試行錯誤した結果、私のデザインの仕事ベースで永住権が取れそうということがわかり、3年間かけてグリーンカードを取得しましたがこれがかなり大変でした(苦笑)いい弁護士を探すところから始まり、いろんな人に聞いて実際に相談したところ、一人だけ、”あなたが頑張ればいける”と言ってくれた人がいて、その人にお願いすることに決めました。そこからメディアにでたり、個人事業主から法人化したり、日本でPOP UPをしたり。とにかくアーティストとしての既成事実を作りました。

ちなみにアーティストグリーンカードの申請中、グリーンカードの抽選にも当選し、まさかの2つ永住権を申請するというかなりレアな出来事がおきました(笑)

Q6. 長い道のりだったけど諦めず頑張った甲斐がありましたね!YUIさんは小さい頃から作ったり、デザインしたりとクリエイティブなことが好きだったのですか?

はい、幼稚園の頃にお店屋さんごっこをするのが大好きでした。自分が粘土や折り紙で作ったかわいいものを誰かがおもちゃのお金で買ってくれるというのがたまらなく好きだったんです。今でもイベントなどに出店すると、あのときのドキドキワクワクが蘇ってきます!

Q7. キャンドルを作りはじめたきっかけは?

デザインの仕事はパソコンの中で完結することが多くて実際に触れることができない。触れられても平面。それがなんだか寂しくて、自分の好きな世界観や色を立体的に表現できるものを作ってみたくて、趣味で家のキッチンでキャンドルを作りはじめました。

何か作ってみたいと思ったのは、当時は若いアーティストが多く住んでいるエリアにいて、”自分もその一員になりたい、アーティストたちと仲良くなりたい” という気持ちがあったからです。電動のキックボードでリュック背負ってキャンドルを配達する姿は珍しがられたし、スモールビジネスをサポートする風潮もあって、周りのアーティストや友達がインスタで宣伝してくれました。近所のアジア人が面白いこと始めたぞって(笑)

Q8. 家のキッチンからスタートしたんですね!そこから人気がでたきっかけは?

作りはじめて、1~2週間でオーダー数がどんどん増えていきました。コロナ真っ只中だったので、家で使えるものが欲しいという需要があったんじゃないかと思います。でも大きなビジネスチャンスになったのは、ある注文とハプニングがきっかけでした。

ある日、近所の人からキャンドルを頼まれたんですが、英語が全然わからなくて、受け渡しは後日だと勘違いしていたらその日で!ドアの下で30分も待たせていました。慌てて家の下まで降りて、注文したキャンドルとお詫びのキャンドルを持って謝ると、相手は全然怒ってなかったんです。”英語勉強中なんだよね” って言ったら、私も別の国から来たから大変なのわかるよって言ってくれて。それがファッションブランドのMadewellの社員さんで、彼女が社内で取り扱いたい商品としてキャンドルを推薦してくれたおかげで店舗で取り扱ってもらえるようになりました。人の温かさに触れた出来事でしたね。今でも彼女には感謝しています。

Q9. お二人のやりとりが思い浮かんでほっこりしました。言語のこともあるし、海外で働くってハードル高そうと思っていましたが実際はどうでしょうか?

よく言語を習得してからじゃないと海外に行くのは難しいと言われるけど、もしやりたいことがあるなら、まずそっちを先にやったほうがいいとわたしは思っています。実際に、その状況に自分をおくと語学はなんとかなるんです!(笑)勝手に身に付いてくる。

わたしも初めは、勉強するために語学学校も通いましたが、中途半端な英語になるんだったらと思い直し、翻訳サービスを使っています。取引メールはオンライン翻訳サービスのDeepLを使ったり、オンラインミーティングする際は通訳を頼んだりしています。

Q10. 英語が話せなくても現地で立派にお仕事ができていること、勇気がもらえますね!アメリカで実際に働いてみて、日本での働き方と違いを感じることはありましたか?

日本ではお客様は神様という風潮があって自分自身もそう思っていましたが、アメリカではお客様とわたしたちは対等という考え方で、そこが一番変わりました。

あとは、アメリカではスモールビジネスやクリエイターがとても尊重されていると感じます。例えばMadewellは、仕事の取引だけじゃなくてスモールビジネスに対して助成金を払ったりサポートも一緒にしてくれたりします。

それは個人のお客さまでも変わらなくて。過去に注文で色を間違えたことがあって、完全に自分が悪いんですが、それを指摘するメールですらとても優しいんです。「あなたのビジネスを尊敬していて、ひとつひとつ手作りしていてすごいと思います。ただ、わたしが頼んだ色とは違うような気がするので確認してくれますか?」というような聞き方をしてくれる。わたし自身も人に対して丁寧に接することを学びましたね。

Q11. 伝え方ひとつで本当に印象が変わりますね。わたしも勉強になります!キャンドルビジネスを立ち上げてから今までで、心に残っている出来事はありますか?

初めてのサンプルセールを開催した時に長蛇の列が出来たことです。わたしは英語もほとんど話せないし、特におしゃれでもないしイケてるわけでもない。それでもブッシュウィック*の若者たちがわたしのキャンドルのために列をなしているのを見た時に、本当に感動しました。やっと自分の居場所ができた気がしました。だからブルックリンが大好きだし、今後もブルックリンで一生暮らしていきたいと思っています。

*ブッシュウィックはニューヨーク・ブルックリンにある地区。マンハッタンから移り住んだアーティストが多く、ストリートアートが有名な街。

Q12. 自分が作ったものが人種や国境を超えて受け入れられている、とても感動しますね。キャンドル制作のインスピレーションはどこから得ていますか?

基本的にはサンリオや90年代のアニメのようなパステルカラーが好きなので、そこから着想を得ていますが、旅がインスピレーションになることもあります!先日もハワイでみた波のような形がかわいいなと思い、帰ってきたからすぐに3Dデザイナーに相談し、その形のキャンドルを作りました。作るまで何だかわからなかったのですが(笑)サーフフィンというサーフボードの下に取り付けるパーツをイメージした作品が出来上がりました。

Q13. キャンドルビジネスをはじめて大変だったことはありますか?どうやって乗り越えましたか?

最初はただただキャンドルを作ることに夢中で仕事を引き受けすぎてしまい、人に頼ることができず一人でいっぱいいっぱいになってテンパってしまう自分がいました。でもある出来事をきっかけに頼れるようになりました。

1人長く働いてくれているスタッフがいるんですが、もともと友達だったので、関係性を崩したくなくて仕事のことで言いにくいなと感じていた時期があって。でも勇気を出して一度腹を割って話したら、意外とすんなり受け入れてくれて、逆にもっとこれからも言ってほしいって言ってくれて拍子抜けしたんです。お互い信頼できる関係になって、バイトやインターンの子の間に入ってリーダーとして動いてくれるようになりました。話すことは勇気がいりましたが、経営者として、人として成長できたと感じる出来事でした。

Q14. とても素敵なエピソードです!いいチームを作れると今後がますます楽しみになりますね!キャンドルビジネスの展望や目標はありますか?

もっと広げていくの?大きくするの?楽しみだね!と言ってもらえるのはとってもありがたいのですが、それは実はそんなに望んでないんです。なるようになるかなと思っていますが、今はお客さんが自分でデザインしたオリジナルの型でキャンドルを作れるような、3Dプリントでオリジナルの型を作れるようなプロジェクトを進めています。グリーンポイントでいつか実店舗をやるのも夢です。

最終的には幸せであれば何でもいいです!

Q15. YUIさんが幸せって感じる時はどういう時でしょうか?

なかなか周りには理解してもらえないので伝えるのが難しいですが(笑)五感を感じられるときが幸せって感じます。でも自然の中にいたいとか、田舎で幸せを感じたいということではないんですよね。

難しいですが、例えば家から最寄り駅まで10分歩くとき、心の余裕があるときは道を歩いているといろんなことを感じられるんですよね。パンの匂いがしたな、あの猫よく見かけるなとか。でも仕事で忙しい時とか、精神的に余裕がない時って、その10分間歩いていても実は周りが何も見えていないんですよね。何があった、どんな匂いがした、何が聞こえたとか覚えてない!頭がいっぱいいっぱいでいつの間にか駅に着いている。

だから自分が生きてる場所のことを感じる余裕があるって素晴らしいと。道が泥くさいな〜〜とかいい体験じゃなくてもいいんです(笑)とにかく心に余裕がないとなにも感じられないので意識して余白を作って感じられることが一番幸せだなって思います。

Q16. とても共感!余白って大事ですよね。わたしも仕事は8割とか、いっぱいいっぱいにならないようにセーブしています。YUIさんの理想のライフスタイルはありますか?

いまは仕事に対して満足感があるので、家族を大事にしていきたいです。わたしはあまり家事をしないので、主人に恩返しができるようになりたいです。主人は家事と仕事をこなしながら大学へ通ったり週末はフルマラソンを走ったりと本当に尊敬できる人間なんです!だからわたしも尊敬してもらえるような人間になりたいと思って必死に働き、人間を磨いてきました。

それが最近、ライバルじゃなくて良いパートナーになりたいなと思うようになったんです。今まで家庭を顧みずに働いてばかりだったので、もっと寄り添える関係になりたいなと思ってきました。今後のライフスタイルは主人とも相談しながら模索中です。

Q17. 旦那さまの見方がライバルからパートナーへ変化したんですね!その気持ちの変化が起きたきっかけは?

主人に自分が追いついた気がして、自分自身に対して満足したのがきっかけだと思います。多分主人にとっては常にわたしのことをライバルとは思ってなくて対等な関係だったと思いますが(笑)なぜか自分の中ではずっとライバルだと思っていたんですよね。

キャンドルに関しても彼がお金を出している訳ではなくて一人で始めたこと。それが思いがけずうまくいったことに自分も自信がついて、認めてもらおうって、そんなに頑張んなくてもいいんだって、やっと精神的に落ち着きました。

それまでは、自立してたりお金を稼いでることがすごいことで、取材でもそういう部分でスポットライトを浴びることが多かったですが、最近そうじゃないことに気づきました。主人もずっとそう望んでいたみたいですが、大切なのは仕事でも日々の生活でも自分が自分らしく幸せにいられること。 今はお互いにそういう形を見つけられたことがよかったと思います。

Q18. 共感〜〜!わたしも結婚しているので、うまくいく関係を築くのに試行錯誤することもありますが、お互いが自分らしくいて尊重できる関係が理想ですよね。幸せの尺度って本当に人それぞれ。とても素敵なお話ありがとうございました。最後に、このインタビュー記事の読者のみなさまにメッセージをお願いします!

ニューヨークはエネルギッシュで鬱陶しい街です(笑)アーティストもウォール街を歩くエリートサラリーマンも、ホームレスでさえギラギラしていて輝いて見えます。

特にやりたいことがない人も、夢や目標がある人も、この街にいるとみんなが背中を押してくれます。あなたは大丈夫だよ。あなたはできるよって後押ししてくれます。

今の自分に満足していない人は、とりあえずニューヨークへ来てみてください。
ビザとかお金とか英語力とかそんなのどうでもいいからまずはとにかく来てみてください。
きっとニューヨークがあなたの背中を押してくれます!

Q1. YUIさんがニューヨークに移住した理由は?

主人に出会って2ヶ月でプロポーズされ、彼が沖縄へ転職することが決まった3ヶ月のタイミングで結婚し、その後また仕事の関係でニューヨーク行きが決まったからです。結婚・移住と決断が早いと驚かれることもありますが、結婚するならこの人だと思っていたので全く迷いはありませんでした(笑)

Q2. 決断早すぎる!最初からぶっ飛んでますね(笑)結婚や移住って人生に大きな影響を与えるイベントだと思いますが、迷わなかった理由はありますか?

 元々本能のままに生きていて、自分がやりたいと思ったらやる性格なんです(笑)もし結婚という選択肢が間違っていたとしたら、離婚することって悪ではないと思いますし。

あとは自分が社会不適合者だと思っていて(苦笑)日本で働いているときは同じ時間に起きて、同じ時間にお昼を食べたりすることが苦痛でした。だから専業主婦になって気ままに生きたいと思っていたこともあり、沖縄についていくことを決めました。沖縄では時間がたっぷりあったので1日8時間、夢中になって貝を拾っていたことも。

でも元々人に認めてもらいたいという気持ちが強いタイプで、専業主婦だと家でしか認めてもらえないと感じてしまって。働くのが嫌で仕事をやめたけど、結局働きたくなって、沖縄でデザイナーの仕事を始めました。

Q3. 沖縄ということはリモートでデザイナーの仕事?詳しく聞かせてください!

元々東京で働いていた頃はマーケティングとプロモーション分野で働いていたのですが、小学生のときから趣味でウェブサイトを作ったり自作の待受画像を作るのが好きでした。その流れでサイトのアイコンやバナーの制作を任せてもらうことがあり、デザインの仕事もしてみたいなと思っていたところ、沖縄へ帯同することになり専業主婦になったのでフリーランスでグラフィックデザインの仕事をはじめました。

Q4. それから旦那さんと一緒にニューヨークに移住されたんですね。ニューヨークは刺激的かつ多様性も尊重されていてオープンなイメージだけど、実際はどんな街ですか?

その通り刺激的で多様性が尊重されているな、と日々感じます!逆に当たり前になりすぎて、アメリカの田舎や日本へ行った時に違いにびっくりします。例えば私の住んでいるブルックリンでは男性がスカートを履いていたり、脇毛がボーボーの女性がいたり、日本ではあまり見かけない人がいますが誰も見向きもしません。近所のヘアサロンはジェンダーフリーを謳っていて、男女関係なく髭剃りもカラーも全てそこで行えるようになっています。古着屋さんには男性コーナー、女性コーナーの概念がそもそもありません。

それから、わたしが唯一知っていたアメリカのライフスタイルはゴシップガールだったので、あのままの生活ができると思っていてかなりギャップがありました(笑)実際はお金もないし、アパートの審査も厳しかったので、トイレを使うとお風呂から排水が逆流してくるようなボロ屋に住んでいました(笑)でも映画の主人公になった気持ちで、そこから頑張ってマンハッタンの夜景が見渡せるところにいつか住むんだ!って箒持って床掃除しながら楽しく妄想してましたね(笑)今は自分が大好きな街、ブルックリンに住めているので幸せです。

Q5. ニューヨークに移住してから大変だったことは?

永住権の取得です。わたしたちは主人の「最先端の場所でエンジニアとして働きたい」という夢を叶えるためにアメリカに来ていたので絶対に永住権を取りたいという目標がありました!

試行錯誤した結果、私のデザインの仕事ベースで永住権が取れそうということがわかり、3年間かけてグリーンカードを取得しましたがこれがかなり大変でした(苦笑)いい弁護士を探すところから始まり、いろんな人に聞いて実際に相談したところ、一人だけ、”あなたが頑張ればいける”と言ってくれた人がいて、その人にお願いすることに決めました。そこからメディアにでたり、個人事業主から法人化したり、日本でPOP UPをしたり。とにかくアーティストとしての既成事実を作りました。

ちなみにアーティストグリーンカードの申請中、グリーンカードの抽選にも当選し、まさかの2つ永住権を申請するというかなりレアな出来事がおきました(笑)

Q6. 長い道のりだったけど諦めず頑張った甲斐がありましたね!YUIさんは小さい頃から作ったり、デザインしたりとクリエイティブなことが好きだったのですか?

はい、幼稚園の頃にお店屋さんごっこをするのが大好きでした。自分が粘土や折り紙で作ったかわいいものを誰かがおもちゃのお金で買ってくれるというのがたまらなく好きだったんです。今でもイベントなどに出店すると、あのときのドキドキワクワクが蘇ってきます!

Q7. キャンドルを作りはじめたきっかけは?

デザインの仕事はパソコンの中で完結することが多くて実際に触れることができない。触れられても平面。それがなんだか寂しくて、自分の好きな世界観や色を立体的に表現できるものを作ってみたくて、趣味で家のキッチンでキャンドルを作りはじめました。

何か作ってみたいと思ったのは、当時は若いアーティストが多く住んでいるエリアにいて、”自分もその一員になりたい、アーティストたちと仲良くなりたい” という気持ちがあったからです。電動のキックボードでリュック背負ってキャンドルを配達する姿は珍しがられたし、スモールビジネスをサポートする風潮もあって、周りのアーティストや友達がインスタで宣伝してくれました。近所のアジア人が面白いこと始めたぞって(笑)

Q8. 家のキッチンからスタートしたんですね!そこから人気がでたきっかけは?

作りはじめて、1~2週間でオーダー数がどんどん増えていきました。コロナ真っ只中だったので、家で使えるものが欲しいという需要があったんじゃないかと思います。でも大きなビジネスチャンスになったのは、ある注文とハプニングがきっかけでした。

ある日、近所の人からキャンドルを頼まれたんですが、英語が全然わからなくて、受け渡しは後日だと勘違いしていたらその日で!ドアの下で30分も待たせていました。慌てて家の下まで降りて、注文したキャンドルとお詫びのキャンドルを持って謝ると、相手は全然怒ってなかったんです。”英語勉強中なんだよね” って言ったら、私も別の国から来たから大変なのわかるよって言ってくれて。それがファッションブランドのMadewellの社員さんで、彼女が社内で取り扱いたい商品としてキャンドルを推薦してくれたおかげで店舗で取り扱ってもらえるようになりました。人の温かさに触れた出来事でしたね。今でも彼女には感謝しています。

Q9. お二人のやりとりが思い浮かんでほっこりしました。言語のこともあるし、海外で働くってハードル高そうと思っていましたが実際はどうでしょうか?

よく言語を習得してからじゃないと海外に行くのは難しいと言われるけど、もしやりたいことがあるなら、まずそっちを先にやったほうがいいとわたしは思っています。実際に、その状況に自分をおくと語学はなんとかなるんです!(笑)勝手に身に付いてくる。

わたしも初めは、勉強するために語学学校も通いましたが、中途半端な英語になるんだったらと思い直し、翻訳サービスを使っています。取引メールはオンライン翻訳サービスのDeepLを使ったり、オンラインミーティングする際は通訳を頼んだりしています。

Q10. 英語が話せなくても現地で立派にお仕事ができていること、勇気がもらえますね!アメリカで実際に働いてみて、日本での働き方と違いを感じることはありましたか?

日本ではお客様は神様という風潮があって自分自身もそう思っていましたが、アメリカではお客様とわたしたちは対等という考え方で、そこが一番変わりました。

あとは、アメリカではスモールビジネスやクリエイターがとても尊重されていると感じます。例えばMadewellは、仕事の取引だけじゃなくてスモールビジネスに対して助成金を払ったりサポートも一緒にしてくれたりします。

それは個人のお客さまでも変わらなくて。過去に注文で色を間違えたことがあって、完全に自分が悪いんですが、それを指摘するメールですらとても優しいんです。「あなたのビジネスを尊敬していて、ひとつひとつ手作りしていてすごいと思います。ただ、わたしが頼んだ色とは違うような気がするので確認してくれますか?」というような聞き方をしてくれる。わたし自身も人に対して丁寧に接することを学びましたね。

Q11. 伝え方ひとつで本当に印象が変わりますね。わたしも勉強になります!キャンドルビジネスを立ち上げてから今までで、心に残っている出来事はありますか?

初めてのサンプルセールを開催した時に長蛇の列が出来たことです。わたしは英語もほとんど話せないし、特におしゃれでもないしイケてるわけでもない。それでもブッシュウィック*の若者たちがわたしのキャンドルのために列をなしているのを見た時に、本当に感動しました。やっと自分の居場所ができた気がしました。だからブルックリンが大好きだし、今後もブルックリンで一生暮らしていきたいと思っています。

*ブッシュウィックはニューヨーク・ブルックリンにある地区。マンハッタンから移り住んだアーティストが多く、ストリートアートが有名な街。

Q12. 自分が作ったものが人種や国境を超えて受け入れられている、とても感動しますね。キャンドル制作のインスピレーションはどこから得ていますか?

基本的にはサンリオや90年代のアニメのようなパステルカラーが好きなので、そこから着想を得ていますが、旅がインスピレーションになることもあります!先日もハワイでみた波のような形がかわいいなと思い、帰ってきたからすぐに3Dデザイナーに相談し、その形のキャンドルを作りました。作るまで何だかわからなかったのですが(笑)サーフフィンというサーフボードの下に取り付けるパーツをイメージした作品が出来上がりました。

Q13. キャンドルビジネスをはじめて大変だったことはありますか?どうやって乗り越えましたか?

最初はただただキャンドルを作ることに夢中で仕事を引き受けすぎてしまい、人に頼ることができず一人でいっぱいいっぱいになってテンパってしまう自分がいました。でもある出来事をきっかけに頼れるようになりました。

1人長く働いてくれているスタッフがいるんですが、もともと友達だったので、関係性を崩したくなくて仕事のことで言いにくいなと感じていた時期があって。でも勇気を出して一度腹を割って話したら、意外とすんなり受け入れてくれて、逆にもっとこれからも言ってほしいって言ってくれて拍子抜けしたんです。お互い信頼できる関係になって、バイトやインターンの子の間に入ってリーダーとして動いてくれるようになりました。話すことは勇気がいりましたが、経営者として、人として成長できたと感じる出来事でした。

Q14. とても素敵なエピソードです!いいチームを作れると今後がますます楽しみになりますね!キャンドルビジネスの展望や目標はありますか?

もっと広げていくの?大きくするの?楽しみだね!と言ってもらえるのはとってもありがたいのですが、それは実はそんなに望んでないんです。なるようになるかなと思っていますが、今はお客さんが自分でデザインしたオリジナルの型でキャンドルを作れるような、3Dプリントでオリジナルの型を作れるようなプロジェクトを進めています。グリーンポイントでいつか実店舗をやるのも夢です。

最終的には幸せであれば何でもいいです!

Q15. YUIさんが幸せって感じる時はどういう時でしょうか?

なかなか周りには理解してもらえないので伝えるのが難しいですが(笑)五感を感じられるときが幸せって感じます。でも自然の中にいたいとか、田舎で幸せを感じたいということではないんですよね。

難しいですが、例えば家から最寄り駅まで10分歩くとき、心の余裕があるときは道を歩いているといろんなことを感じられるんですよね。パンの匂いがしたな、あの猫よく見かけるなとか。でも仕事で忙しい時とか、精神的に余裕がない時って、その10分間歩いていても実は周りが何も見えていないんですよね。何があった、どんな匂いがした、何が聞こえたとか覚えてない!頭がいっぱいいっぱいでいつの間にか駅に着いている。

だから自分が生きてる場所のことを感じる余裕があるって素晴らしいと。道が泥くさいな〜〜とかいい体験じゃなくてもいいんです(笑)とにかく心に余裕がないとなにも感じられないので意識して余白を作って感じられることが一番幸せだなって思います。

Q16. とても共感!余白って大事ですよね。わたしも仕事は8割とか、いっぱいいっぱいにならないようにセーブしています。YUIさんの理想のライフスタイルはありますか?

いまは仕事に対して満足感があるので、家族を大事にしていきたいです。わたしはあまり家事をしないので、主人に恩返しができるようになりたいです。主人は家事と仕事をこなしながら大学へ通ったり週末はフルマラソンを走ったりと本当に尊敬できる人間なんです!だからわたしも尊敬してもらえるような人間になりたいと思って必死に働き、人間を磨いてきました。

それが最近、ライバルじゃなくて良いパートナーになりたいなと思うようになったんです。今まで家庭を顧みずに働いてばかりだったので、もっと寄り添える関係になりたいなと思ってきました。今後のライフスタイルは主人とも相談しながら模索中です。

Q17. 旦那さまの見方がライバルからパートナーへ変化したんですね!その気持ちの変化が起きたきっかけは?

主人に自分が追いついた気がして、自分自身に対して満足したのがきっかけだと思います。多分主人にとっては常にわたしのことをライバルとは思ってなくて対等な関係だったと思いますが(笑)なぜか自分の中ではずっとライバルだと思っていたんですよね。

キャンドルに関しても彼がお金を出している訳ではなくて一人で始めたこと。それが思いがけずうまくいったことに自分も自信がついて、認めてもらおうって、そんなに頑張んなくてもいいんだって、やっと精神的に落ち着きました。

それまでは、自立してたりお金を稼いでることがすごいことで、取材でもそういう部分でスポットライトを浴びることが多かったですが、最近そうじゃないことに気づきました。主人もずっとそう望んでいたみたいですが、大切なのは仕事でも日々の生活でも自分が自分らしく幸せにいられること。 今はお互いにそういう形を見つけられたことがよかったと思います。

Q18. 共感〜〜!わたしも結婚しているので、うまくいく関係を築くのに試行錯誤することもありますが、お互いが自分らしくいて尊重できる関係が理想ですよね。幸せの尺度って本当に人それぞれ。とても素敵なお話ありがとうございました。最後に、このインタビュー記事の読者のみなさまにメッセージをお願いします!

ニューヨークはエネルギッシュで鬱陶しい街です(笑)アーティストもウォール街を歩くエリートサラリーマンも、ホームレスでさえギラギラしていて輝いて見えます。

特にやりたいことがない人も、夢や目標がある人も、この街にいるとみんなが背中を押してくれます。あなたは大丈夫だよ。あなたはできるよって後押ししてくれます。

今の自分に満足していない人は、とりあえずニューヨークへ来てみてください。
ビザとかお金とか英語力とかそんなのどうでもいいからまずはとにかく来てみてください。
きっとニューヨークがあなたの背中を押してくれます!

<関連記事はこちら>

We are borderless MARIE

We are borderless TSUKI

Our Story

<関連記事はこちら>

We are borderless TSUKI

We are borderless MARIE

Our Story

関連記事はこちら

We are borderless TSUKI

We are borderless MARIE

Our Story