【わたしが旅する理由 #findyouraww】岸本セシル

世界中の人々といつでも繋がれるこの時代 。
「好きなときに好きな場所で好きな人と過ごす」
そんな既存の枠に囚われない新しいライフスタイルを自分で作り上げていく。

この連載は そんな輝く「わたしたち」にフォーカスし
インタビューを通して見えてくる 人となり、

ライフスタイル、そしてわたしたちが旅する理由をひも解きます。
ワクワクする非日常への一歩を踏み出せるようになりたい 「わたし」へ向けて。

わたしが旅する理由

Traveler :
岸本 セシル @cecil_lu

住居: 沖縄
職業: ファッションモデル
趣味: 食べること、旅行、音楽を聴くこと、インテリア
好きな国: ハワイ、オアフ島
好きな食べ物: お肉もお魚も野菜も好きですが特にステーキ
座右の銘: 一期一会

第6回目となる本連載では、カリスマファッションモデルとして活躍し、
過去には大人気旅番組「アナザースカイ」のMCも務めたことがある旅好きの岸本セシルさん。
2019年に出産、約2年間の産休を経て公私共に変化した彼女。
そんな彼女の過去の旅の思い出や経験から旅する理由を紐解きます。

Q1 初めて旅をしたのはいつですか?

私がまだ小学4年生だった頃に、家族で行った韓国が初めての旅でした。ツアーで自由時間にロッテワールドに行ったことを覚えています。実は、生まれて初めて沖縄から出たのがこの韓国旅行で、着いたら知らない言語が聞こえてきてドキドキしてました。
ツアーガイドさんから、道端にいた犬が食用だという話を聞いて、「近い国なのに食文化がこんなに違うんだ!」と衝撃を受けたことを覚えています。

Q2 その時と比べて、今の「旅行」に対しての感じ方は変わったりしましたか?

旅に行くたびに価値観が変わっている気がします。
初めてプライベートで海外に行ったのは23歳の時でした。
それまでは仕事で行くことが多かったので常に仕事モード。
お仕事ではメキシコやブラジルなど今ではなかなか行けないところにも行かせてもらったりしていましたが、当時はその国の治安面や、1人で知らない場所にいる恐怖、言語もあまり得意でなかったことからコミュニケーションがとれない不安もあって、ホテルに引きこもってばかりいました。
今思うと、とってももったいない事をしていたな(笑)と思うのですが、 当時は「知らない世界に出ていきたい」というよりも、「安心できる環境」でゆったりしたい方が強かったんだと思います。

それが変わったのが、7年前に初めてプライベートでハワイに行った時。
ゆるさや雰囲気が沖縄に似ているのでリラックスできました。
実は沖縄の人って意外とシャイなんですが、ハワイの人は積極的に向こうから温かくコミュニケーションを取ってきてくれたのが印象的でした。
ローカルな場所で音楽を聴きながらお酒を飲み、同じ時間と空気を共有できたのがとても心地よかった。
そこから知らない場所への”恐怖”より”好奇心”で行動できるようになってきて、現地の人と交流できる旅や、文化に触れる旅をしたいと思うようになってきました。

Megumi’s Comment

安心できる環境で過ごしたい派だったセシルさんが、
好奇心で行動するようになった。一歩踏み出すのって勇気がいるけど、旅がそのきっかけを作ってくれたのですね!

Q3 ハワイで人の温かみに触れたことがきっかけで「旅」に対しての価値観が変わったのですね!
セシルさんは、どういう時に旅に出たくなりますか?

仕事を頑張った後は、気持ちを切り替えてリフレッシュをしたいという思いが強いので旅に出たくなります。日本だと人前に出る仕事をしていることもあり、少なからず周りを気にしてしまったり、見られている感覚があるのですが、それを気にせず自分を開放してリラックスできるのが旅に出ている時なのかな、と思います。

あとは私にとってグルメも旅に出るきっかけ。「腹ぺこフィルのグルメ旅(Somebody Feed Phil)」というネットフリックスの旅番組が大好きで、ご飯を食べている人を見るだけで幸せになります(笑)
以前ベトナムに旅行したのも、このグルメ番組を見て決めました。ホーチミンで食べたフォーやバインミーがとっても美味しかった。
ただ、一番行きたかったお店が番組に出たことで有名になってしまい、私が訪れた時には既にアメリカに移転してしまっていたのがショックでした。

Q4 「旅」は自分を開放してリラックスできること。共感します!
ちなみに旅に出る時はグルメ情報を中心に計画することが多いですか?

はい、そういうことが多いかもしれません(笑)
場所を決めたら、美味しいお店と食べ物を調べ、地図上にピンでメモして1日に何軒も周り食べ歩きします。

基本的にどんなジャンルの食べ物も好きで、ファストフードもB級グルメもなんでも食べますが、食べた事が無い物を食べるときの「あ、この感覚初めて」というのが大好きなんです!
知らない食べ物や、食べたことがない食べ物をどんどん知りたくなる。
最初は抵抗があったのですが、台湾の夜市に行った時に臭豆腐にも挑戦しました。 屋台とか人が群がっているところに行って、周りにいる現地の人に聞いて反応が良ければ食べちゃいます(笑)

そういう新しい発見があるのが旅のいいところだと思っています。
人や文化も含め、年々自分が知らないことがまだまだ多いなと感じるので、知らないものを知りたくなりますね。
あとはお酒も好きなので、現地でお酒を飲みながらローカルの人とコミュニケーションを取るのも楽しい!お酒が飲める体質で良かったです(笑)

Megumi’s Comment

食を通して新しい文化を知るきっかけになったり、
現地の人との交流が生まれたり、 食って旅をする醍醐味でもありますよね。
同じ旅好きとして共感!

Q5 好奇心旺盛で、知らないものにもどんどん挑戦するセシルさん、旅がとても充実してそう!
これまでの旅で思い出に残っている場所とエピソードはありますか?

今思い出しても衝撃だったのが、たまたまパリに行った時に遭遇したデモ。
老若男女、何千何万人という人たちがデモに参加していて、政治への関心が強いことや国民性の違いを感じてかなりの衝撃を受けました。それまでのパリのイメージは、ファッション誌で見るような「おしゃれで綺麗な街並み」という印象でしたが、実際に訪れた際は、ものすごい数の人がデモに参加していて身動きも取れませんでした。
この規模のデモってまず日本では見ない光景だったので本当にビックリしましたね。
それを見て、「何でこんなに国民性が違うんだろう?デモの理由は何だろう?」と深堀したいと思うようになって、ますます「知らないことを知ろう!知りたい!」と思うきっかけになりました。

また、サンフランシスコに行った時は、貧富の差を目の当たりにしてカルチャーショックを受けました。
治安があまり良くないエリアにホテルを取ってしまったのですが、通りを一つ挟んだだけで、ホームレスや薬物中毒のような人が至る所にいたんです。
まるで映画を見ているような、「こういう世界があるんだ」と衝撃でした。 ビクビクして過ごしていましたが、実際にそこに住む人とお話する機会があって、「危なくないの?」って聞いた時に「こちらが何もしなければ、彼らも何もしてこないし、うまく付き合ってるんだよ」と言われて。
それを聞いて不安が消えたので、勇気を持って話しかけて話を聞けて良かったなと思っています。
旅に出る度にやっぱりまだまだ世界には自分の知らないことが多いなと感じます。本で読んだり人に聞いたことだけでなく、自分の目で実際に見て、感じてみないとわからないことばかりだなと思いますね。

Megumi’s Comment

デモや貧富の差など、旅に出ると日本では出会うことがないような光景や知り得ない現実を目の当たりにすることもありますよね。実際に遭遇してみると、「本や聞いた情報とは全然違う!」ということも多い。
そうやって自分の目で見て感じることができるのは、まさに旅ならでは。

Q6 これまでにセシルさんの人生観や仕事観を変えた旅はありますか?

17歳の頃に訪れたチェコのプラハが私のモデル人生の原点です。
その年のエリートモデルルック世界大会の開催地だったので日本代表として参加しました。英語もまともに話せないのに、初めての国でひとりぼっちという不安。それだけでなく、目立つことが苦手で、モデルになることへも心の底からポジティブに考えていなかった私。当時を振り返ると辛い思い出しかありませんでした。
ただ、デビューから10周年となったスタイルブックの撮影では、笑顔で再び訪れる事ができ、自分の成長を感じることができた思い出の場所です。

Q7 スタイルブックの撮影から約3年が経ちましたが、当時と比べて仕事観に変化はありましたか?

振り返ってみると、昔は自分の可能性を信じきれていなかった部分もあったんじゃないかと思います。
あれから3年が経ち、今年で31歳。
最近は新しいことに挑戦していきたい気持ちがもっと増えてきました。モデルの仕事だけではなく、空間作りの仕事や、声を使ったラジオの仕事など喋るお仕事にも挑戦したいと思っています。

今年は行けていませんが、毎年行くハワイは1年の中でもリフレッシュできる私にとっては大切な場所です。
コンドミニアムに泊まって、暮らすようにただただ過ごすのですが、ハワイに行くと沖縄となんとなく似ているからか、ハッピーな気持ちになるんですよね。 とてもいい気分で日本に戻れる。

あとは毎年同じところに行くことで、自分の状態とか興味が変わっていることに気付かされるんです。
例えば、去年はある食べ物にとっても感動していたけど、今年は自然を求めているなとか、
自分が今求めている”癒し”に気付ける。

自然と言えば、トレッキングなど、「ちょっと難しいけど頑張ればできること」に挑戦することが好きです。子供が生まれてからは特に、自然からもらうエネルギーをすごく求めていると感じます。
空の青さ、雲の動き、道に咲いているお花、周りにあるものが全てとても美しく見えてきて、全部を子供に見せてあげたくなるんです!(笑)
私の故郷である沖縄でも、滝壺に向かって登っていくトレッキングはオススメです。
本部町にある「ター滝」というところはパワースポットでもあり、リフレッシュにもなるし、自分の中ではお気に入りの場所です。

沖縄というとやっぱり海がメインになりがちですが、実は、海以外にも素敵な場所はたくさんあって、北谷町も大好きな町の一つです。沖縄の住みやすい場所ランキングでNo.1に選ばれたこともあるくらい、観光客にも地元の人にも愛される、華やかでカラフルな町。
一時期閑散としていた時もありましたが、県外からの移住者がおしゃれなカフェを開いてくれたりと再開発も進んでいる場所です。

Megumi’s Comment

同じ場所でも、毎年訪れると自分の感覚がアップデートされていることに
気付くその感覚に共感!自分が今求めているもの、好きなことに気付ける 大切なメンテナンス時間ということですね。
沖縄のローカル情報もとっても素敵!

Q8 ター滝に北谷町、沖縄は魅力的な場所がたくさんありますね!セシルさんのことを語る上で外せない沖縄ですが、 「沖縄」と「東京」と「旅先」、それぞれの場所の位置付けはありますか?

今まで13年間くらい東京でお仕事をしているのですが、やっぱり思うのは、東京は「刺激も多くて魅力もたくさんあって頑張れる場所」だということ。 そして仕事を通して自分を発信する場所でもありますが、いまだにちょっと気を張ってしまう感覚があります(笑)

その反面、沖縄は「自分が頑張らなくてもいい場所」。頑張らなくても全部受けとめてもらえるホームです。
那覇空港に戻ってきた瞬間、空港の匂いで、「おうちに戻ってきた〜」って安心できるんですよね。
それがとても居心地が良い。
でもそんな沖縄の良さに気づいたのは、東京に出てからでした。なので沖縄の若い子達には、一度でもいいから外に出て欲しいなと思っています。やっぱり出ると、沖縄の海の綺麗さも、人の空気感や温かさも、あまり良くない部分も含めて客観的に見れる。
外に出て、初めて自分が今住んでいる場所の良さに気付く感覚です。

旅先に関しては、「新しい発見をくれる場所」です。
自分の考え方や価値観をアップデートできる場所。自分を解放できてリラックスもできるし、刺激ももらえる、東京と沖縄の間のような感覚ですね。 今すぐに自由に旅をすることは難しいですが、この先、機会があれば海外にも住んでみたいですね。暖かい場所でご飯が美味しい場所(笑)
それでちょっと車を走らせたら海や山があるような、自然があるところが理想です。

Megumi’s Comment

刺激を受けて頑張るところ、力を抜いて休む場所、その中間でリフレッシュするところ。 その3つの場所を使い分けて仕事もプライベートも謳歌するセシルさんのライフスタイル。
とても参考になる!

Q9 自分の中でしっかりと場所の位置付けができているセシルさん、 沖縄に拠点を戻すことを決めた理由はありますか?

子供が生まれたことが大きいです。娘に自然に触れながら育ってほしいという気持ちから沖縄に戻ってきました。
子供は自然の中にいた方が、自分で遊ぶものを見つけたり想像力が育つ機会が多いんじゃないかなと思います。

Q10 どんな旅が好きですか?理想の旅はありますか?

その土地の名物を食べ歩く旅が1番好きです!食事に関してはリサーチもしっかりします。 どちらかといえば、リゾート地というよりローカルな街を、住むように旅をするのが理想です。
時間とお金があれば長期で3ヶ月くらいは行きたいですね(笑)今までは長くても1週間くらいが限界だったので、半分はスケジュールを組んで、残りの半分は何も決めずに行くことが多かったです。

ガイドブックに載っていない場所が好きで、路地裏にフラッと入って散策したりします。
そこで見つける新しい場所とかたまらないですね!特に、スペインはどの路地に入ってもバルやローカルなお店がたくさんあってとっても楽しかったです。
あとは、現地で知り合った人のホームパーティーに呼ばれたりしたいです!(笑)

Q11 現地で知り合った人のホームパーティー!まさに住むように旅をする上で外せないですね。
これまでにも現地の人と交流がある旅はしたことがありますか?

まだホームパーティーに呼ばれたことはないのですが願望はあります!
実は、元々かなり人見知りな方ですが、人はすごく好きなので、お酒の力を借りてコミュニケーションして仲良くなりたいですね(笑)
これは理想ですが、日本中に友達がいて、ローカルな暮らしを体験しながら、暮らすように旅ができたら楽しそう!「また来年もきてね〜」って言われるくらい仲良くなりたいです。

Megumi’s Comment

人が大好きで、住むように旅をしたいというセシルさん。
持ち前の明るさとフレンドリーさで世界中の人とお友達になれそうで、
一緒に旅をしたらとっても楽しそう!

Q12 セシルさんと一緒に旅をしたら本当に楽しそう!(笑) もう一度行きたい場所はありますか?

10年以上前にお仕事で行ったメキシコは、プライベートでも訪れてみたい場所です!
当時は18歳で、まだ出かけるのが怖くてホテルでDVDを見ながら過ごしていました。マリアッチがいるレストランにも行ったのですが、まだ10代だったこともありお酒が飲めず。スタッフさんが盛り上がっているのが羨ましかったです(笑)
もう一度行くことができたら本場のテキーラを飲んだり、当時とは違った楽しみ方ができそうだなと思っています。

※マリアッチとは
メキシコの音楽のジャンルの一つで、その音楽を演奏する楽団の総称として呼ばれる。
メキシコではお祭り、宴会、記念日など様々なシーンで活躍している。

最近ネットフリックスで「タコスのすべて(Tacos Chronicles)」という番組を見て、沖縄もタコスが有名ですが、本場のタコスを食べ歩きたい欲がすごいです。
沖縄のタコスはトルティーヤが揚げてあってジャンキーフードという立ち位置すが、東京とかだとタコスって野菜がたくさんでヘルシーなイメージですよね。本場はどうなのか興味があります。
食べ物の話ばかりですみません(笑)

Q13 旅の必需品やパッキングのこだわりはありますか?

色々歩いて回ったり、トレッキングなど運動するのも好きなのでスニーカーは必ず持っていきます。

旅中は現地の人のファッションやメイクを真似して、その地のライフスタイルで過ごすのが好きなので、服を現地で買うためにスーツケースは半分空で行きます。スペインでは眉毛をかなり濃く書いてみたり、ハワイだとラフな服装でノーメイクで過ごしたり。
旅行の写真を振り返ると、現地に馴染んでるな〜と感じられて面白いです。 荷物はできるだけ軽くしたいので、アメニティは現地のスーパーに行って買うことも多いですね。

- 使用アイテム -
6 - 7日用

Q14 withコロナ時代の旅。価値観が変わったと感じることはありますか?

はい。自粛になり、自由に旅や移動ができなくなったからこそ、旅の価値を改めて実感しました。
本で読んだり人に聞いたことだけじゃなく、実際に自ら感じて体験することの重み。
自分で体験することによって好奇心を刺激され、自分の可能性を広げてくれたり、価値観をアップデートしてくれるような感覚になるんですよね。

今は旅をすることが難しいですが、いつか旅ができるようになったら、マナーを守りながら気持ちよく旅をしたいですね。

自粛期間中に人となかなか会えなかったこともあり、本を読むことが増え、色んなジャンルの本を読んでいます。子育てに追われて同じことの繰り返しが多かったので、本を読んで新しい世界や知識をインプットして、会話のきっかけ作りにしたり、伝えたいことを自分らしく話したり、アウトプットできるように心がけています。

Megumi’s Comment

生活様式が変わりつつある中、住むように旅をしたり、拠点を複数もったりするライフスタイルも現実的になってきた。今だからこそ、ライフスタイルについて掘り下げて、今までの価値観や自分自身を見つめ直すことも悪くない気がします。

Q15 これから行ってみたいところ、挑戦してみたいことはありますか?

旅ができるようになったら娘もまだ小さいのでまずは国内から沢山旅をしていきたいです!
行った事が無くて1番気になっているのは秋田県。沖縄とはまた違った文化だと思うので、人も食も興味があります。まだ知り合いはいないけれど、色んな人と仲良くなってローカルな生活も見てみたいですね。

挑戦したい事だと、本格的な身体作りです(笑)。
運動が苦手なのですが、30歳を過ぎて健康でいる事の大事さを感じたので、フットワーク軽く旅をしていくためにも体力作りをしていきたいです。
場所を問わずできるヨガにも少し興味があって、現地の朝日や夕日を浴びながら身体をほぐして気持ちいい旅をしたいなと思っています。

Q16 最後に、セシルさんにとって「旅」とはなんですか?

消えない宝物!
“モノ”ではなく、思い出や経験としてずっと残る大切な時間なので。

Megumi’s Comment

「消えない宝物」とっても素敵な表現ですね!
「旅」で経験したことってお金では買えない価値がありますよね。
セシルさんのように私も「消えない宝物」をどんどん残していきたいです。

購入はこちら

Aww -TRIP-

2~3日旅行用 (機内持ち込み用)

Aww -TRIP-

6~7日旅行用

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ボーダーレスガール TSUKI

わたしが旅する理由 YUKI

世界中の人々といつでも繋がれるこの時代 。
「好きなときに好きな場所で好きな人と過ごす」
そんな既存の枠に囚われない新しいライフスタイルを
自分で作り上げていく。

この連載は そんな輝く「わたしたち」にフォーカスし
インタビューを通して見えてくる
人となり、ライフスタイル、
そしてわたしたちが旅する理由をひも解きます。
ワクワクする非日常への一歩を踏み出せるようになりたい
「わたし」へ向けて。

わたしが旅する理由

Traveler :
岸本 セシル @cecil_lu

住居: 沖縄
職業: ファッションモデル
趣味: 食べること、旅行、音楽を聴くこと、インテリア
好きな国: ハワイ、オアフ島
好きな食べ物: お肉お魚も野菜も好きですが特にステーキ
座右の銘: 一期一会

第6回目となる本連載では、カリスマファッションモデルとして活躍し、過去には大人気旅番組「アナザースカイ」のMCも務めたことがある旅好きの岸本セシルさん。
2019年に出産、約2年間の産休を経て公私共に変化した彼女。
そんな彼女の過去の旅の思い出や経験から旅する理由を紐解きます。

Q1 初めて旅をしたのはいつですか?

私がまだ小学4年生だった頃に、家族で行った韓国が初めての旅でした。ツアーで自由時間にロッテワールドに行ったことを覚えています。実は、生まれて初めて沖縄から出たのがこの韓国旅行で、着いたら知らない言語が聞こえてきてドキドキしてました。
ツアーガイドさんから、道端にいた犬が食用だという話を聞いて、「近い国なのに食文化がこんなに違うんだ!」と衝撃を受けたことを覚えています。

Q2 その時と比べて、今の「旅行」に対しての感じ方は変わったりしましたか?

旅に行くたびに価値観が変わっている気がします。
初めてプライベートで海外に行ったのは23歳の時でした。
それまでは仕事で行くことが多かったので常に仕事モード。
お仕事ではメキシコやブラジルなど今ではなかなか行けないところにも行かせてもらったりしていましたが、当時はその国の治安面や、1人で知らない場所にいる恐怖、言語もあまり得意でなかったことからコミュニケーションがとれない不安もあって、ホテルに引きこもってばかりいました。
今思うと、とってももったいない事をしていたな(笑)と思うのですが、 当時は「知らない世界に出ていきたい」というよりも、「安心できる環境」でゆったりしたい方が強かったんだと思います。

それが変わったのが、7年前に初めてプライベートでハワイに行った時。
ゆるさや雰囲気が沖縄に似ているのでリラックスできました。実は沖縄の人って意外とシャイなんですが、ハワイの人は積極的に向こうから温かくコミュニケーションを取ってきてくれたのが印象的でした。
ローカルな場所で音楽を聴きながらお酒を飲み、同じ時間と空気を共有できたのがとても心地よかった。
そこから知らない場所への”恐怖”より”好奇心”で行動できるようになってきて、現地の人と交流できる旅や、文化に触れる旅をしたいと思うようになってきました。

Megumi’s Comment

安心できる環境で過ごしたい派だったセシルさんが、 好奇心で行動するようになった。 一歩踏み出すのって勇気がいるけど、旅がそのきっかけを作ってくれたのですね!

Q3 ハワイで人の温かみに触れたことがきっかけで「旅」に対しての価値観が変わったのですね!セシルさんは、どういう時に旅に出たくなりますか?

仕事を頑張った後は、気持ちを切り替えてリフレッシュをしたいという思いが強いので旅に出たくなります。
日本だと人前に出る仕事をしていることもあり、少なからず周りを気にしてしまったり、見られている感覚があるのですが、それを気にせず自分を開放してリラックスできるのが旅に出ている時なのかな、と思います。

あとは私にとってグルメも旅に出るきっかけ。「腹ぺこフィルのグルメ旅(Somebody Feed Phil)」というネットフリックスの旅番組が大好きで、ご飯を食べている人を見るだけで幸せになります(笑) 以前ベトナムに旅行したのも、このグルメ番組を見て決めました。ホーチミンで食べたフォーやバインミーがとっても美味しかった。
ただ、一番行きたかったお店が番組に出たことで有名になってしまい、私が訪れた時には既にアメリカに移転してしまっていたのがショックでした。

Q4 「旅」は自分を開放してリラックスできること。共感します!ちなみに旅に出る時はグルメ情報を中心に計画することが多いですか?

はい、そういうことが多いかもしれません(笑)場所を決めたら、美味しいお店と食べ物を調べ、地図上にピンでメモして1日に何軒も周り食べ歩きします。

基本的にどんなジャンルの食べ物も好きで、ファストフードもB級グルメもなんでも食べますが、食べた事が無い物を食べるときの「あ、この感覚初めて」というのが大好きなんです!知らない食べ物や、食べたことがない食べ物をどんどん知りたくなる。
最初は抵抗があったのですが、台湾の夜市に行った時に臭豆腐にも挑戦しました。屋台とか人が群がっているところに行って、周りにいる現地の人に聞いて反応が良ければ食べちゃいます(笑)

そういう新しい発見があるのが旅のいいところだと思っています。
人や文化も含め、年々自分が知らないことがまだまだ多いなと感じるので、知らないものを知りたくなりますね。
あとはお酒も好きなので、現地でお酒を飲みながらローカルの人とコミュニケーションを取るのも楽しい!
お酒が飲める体質で良かったです(笑)

Megumi’s Comment

食を通して新しい文化を知るきっかけになったり、現地の人との交流が生まれたり、 食って旅をする醍醐味でもありますよね!
同じ旅好きとして共感します!

Q5 好奇心旺盛で、知らないものにもどんどん挑戦するセシルさん、旅がとても充実してそう!これまでの旅で思い出に残っている場所とエピソードはありますか?

今思い出しても衝撃だったのが、たまたまパリに行った時に遭遇したデモ。 老若男女、何千何万人という人たちがデモに参加していて、政治への関心が強いことや国民性の違いを感じてかなりの衝撃を受けました。
それまでのパリのイメージは、ファッション誌で見るような「おしゃれで綺麗な街並み」という印象でしたが、実際に訪れた際は、ものすごい数の人がデモに参加していて身動きも取れませんでした。
この規模のデモってまず日本では見ない光景だったので本当にビックリしましたね。
それを見て、「何でこんなに国民性が違うんだろう?デモの理由は何だろう?」と深堀したいと思うようになって、 ますます「知らないことを知ろう!知りたい!」と思うきっかけになりました。

また、サンフランシスコに行った時は、貧富の差を目の当たりにしてカルチャーショックを受けました。
治安があまり良くないエリアにホテルを取ってしまったのですが、通りを一つ挟んだだけで、ホームレスや薬物中毒のような人が至る所にいたんです。まるで映画を見ているような、「こういう世界があるんだ」と衝撃でした。 ビクビクして過ごしていましたが、実際にそこに住む人とお話する機会があって、「危なくないの?」って聞いた時に「こちらが何もしなければ、彼らも何もしてこないし、うまく付き合ってるんだよ」と言われて。
それを聞いて不安が消えたので、勇気を持って話しかけて話を聞けて良かったなと思っています。
旅に出る度にやっぱりまだまだ世界には自分の知らないことが多いなと感じます。本で読んだり人に聞いたことだけでなく、自分の目で実際に見て、感じてみないとわからないことばかりだなと思いますね。 

Megumi’s Comment

デモや貧富の差など、旅に出ると日本では出会うことがないような光景や知り得ない現実を目の当たりにすることもありますよね。実際に遭遇してみると、「本や聞いた情報とは全然違う!」ということも多い。
そうやって自分の目で見て感じることができるのは、まさに旅ならでは。

Q6 これまでにセシルさんの人生観や仕事観を変えた旅はありますか?

17歳の頃に訪れたチェコのプラハが私のモデル人生の原点です。
その年のエリートモデルルック世界大会の開催地だったので日本代表として参加しました。
英語もまともに話せないのに、初めての国でひとりぼっちという不安。それだけでなく、目立つことが苦手で、モデルになることへも心の底からポジティブに考えていなかった私。当時を振り返ると辛い思い出しかありませんでした。
ただ、デビューから10周年となったスタイルブックの撮影では、笑顔で再び訪れる事ができ、自分の成長を感じることができた思い出の場所です。

Q7 スタイルブックの撮影から約3年が経ちましたが、当時と比べて仕事観に変化はありましたか?

振り返ってみると、昔は自分の可能性を信じきれていなかった部分もあったんじゃないかと思います。
あれから3年が経ち、今年で31歳。
最近は新しいことに挑戦していきたい気持ちがもっと増えてきました。モデルの仕事だけではなく、空間作りの仕事や、声を使ったラジオの仕事など喋るお仕事にも挑戦したいと思っています。

今年は行けていませんが、毎年行くハワイは1年の中でもリフレッシュできる私にとっては大切な場所です。
コンドミニアムに泊まって、暮らすようにただただ過ごすのですが、ハワイに行くと沖縄となんとなく似ているからか、ハッピーな気持ちになるんですよね。
とてもいい気分で日本に戻れる。

あとは毎年同じところに行くことで、自分の状態とか興味が変わっていることに気付かされるんです。
例えば、去年はある食べ物にとっても感動していたけど、今年は自然を求めているなとか、自分が今求めている”癒し”に気付ける。

自然と言えば、トレッキングなど、「ちょっと難しいけど頑張ればできること」に挑戦することが好きです。
子供が生まれてからは特に、自然からもらうエネルギーをすごく求めていると感じます。
空の青さ、雲の動き、道に咲いているお花、周りにあるものが全てとても美しく見えてきて、全部を子供に見せてあげたくなるんです!(笑)
私の故郷である沖縄でも、滝壺に向かって登っていくトレッキングはオススメです。
本部町にある「ター滝」というところは、パワースポットでもあり、リフレッシュにもなるし、自分の中ではお気に入りの場所です。

沖縄というとやっぱり海がメインになりがちですが、実は、海以外にも素敵な場所はたくさんあって、北谷町も大好きな町の一つです。
沖縄の住みやすい場所ランキングでNo.1に選ばれたこともあるくらい、観光客にも地元の人にも愛される、華やかでカラフルな町です。一時期閑散としていた時もありましたが、県外からの移住者がおしゃれなカフェを開いてくれたりと再開発も進んでいる場所です。

Q8 ター滝に北谷町、沖縄は魅力的な場所がたくさんありますね!セシルさんのことを語る上で外せない沖縄ですが、 「沖縄」と「東京」と「旅先」、それぞれの場所の位置付けはありますか?

今まで13年間くらい東京でお仕事をしているのですが、やっぱり思うのは、東京は「刺激も多くて魅力もたくさんあって頑張れる場所」だということ。
そして仕事を通して自分を発信する場所でもありますが、いまだにちょっと気を張ってしまう感覚があります(笑)

その反面、沖縄は「自分が頑張らなくてもいい場所」。頑張らなくても全部受けとめてもらえるホームです。
那覇空港に戻ってきた瞬間、空港の匂いで、「おうちに戻ってきた〜」って安心できるんですよね。
それがとても居心地が良い。でもそんな沖縄の良さに気づいたのは、東京に出てからでした。
なので沖縄の若い子達には、一度でもいいから外に出て欲しいなと思っています。やっぱり出ると、沖縄の海の綺麗さも、人の空気感や温かさも、あまり良くない部分も含めて客観的に見れる。外に出て、初めて自分が今住んでいる場所の良さに気付く感覚です。

旅先に関しては、「新しい発見をくれる場所」です。自分の考え方や価値観をアップデートできる場所。
自分を解放できてリラックスもできるし、刺激ももらえる、東京と沖縄の間のような感覚ですね。
今すぐに自由に旅をすることは難しいですが、この先、機会があれば海外にも住んでみたいですね。暖かい場所でご飯が美味しい場所(笑)それでちょっと車を走らせたら海や山があるような、自然があるところが理想です。

Megumi’s Comment

刺激を受けて頑張るところ、力を抜いて休む場所、その中間でリフレッシュするところ。 その3つの場所を使い分けて仕事もプライベートも謳歌するセシルさんのライフスタイル。 とても参考になる!

Q9 自分の中でしっかりと場所の位置付けができているセシルさん、 沖縄に拠点を戻すことを決めた理由はありますか?

子供が生まれたことが大きいです。
娘に自然に触れながら育ってほしいという気持ちから沖縄に戻ってきました。 子供は自然の中にいた方が、自分で遊ぶものを見つけたり想像力が育つ機会が多いんじゃないかなと思います。

Q10 どんな旅が好きですか?理想の旅はありますか?

その土地の名物を食べ歩く旅が1番好きです!食事に関してはリサーチもしっかりします。
どちらかといえば、リゾート地というよりローカルな街を、住むように旅をするのが理想です。
時間とお金があれば長期で3ヶ月くらいは行きたいですね(笑)
今までは長くても1週間くらいが限界だったので、半分はスケジュールを組んで、残りの半分は何も決めずに行くことが多かったです。

ガイドブックに載っていない場所が好きで、路地裏にフラッと入って散策したりします。 そこで見つける新しい場所とかたまらないですね!
特に、スペインはどの路地に入ってもバルやローカルなお店がたくさんあってとっても楽しかったです。 あとは、現地で知り合った人のホームパーティーに呼ばれたりしたいです!(笑)

Q11 現地で知り合った人のホームパーティー!まさに住むように旅をする上で外せないですね。これまでにも現地の人と交流がある旅はしたことがありますか?

まだホームパーティーに呼ばれたことはないのですが願望はあります!
実は、元々かなり人見知りな方ですが、人はすごく好きなので、お酒の力を借りてコミュニケーションして仲良くなりたいですね(笑)
これは理想ですが、日本中に友達がいて、ローカルな暮らしを体験しながら、暮らすように旅ができたら楽しそう!「また来年もきてね〜」って言われるくらい仲良くなりたいです。

Megumi’s Comment

人が大好きで、住むように旅をしたいというセシルさん。 持ち前の明るさとフレンドリーさで世界中の人とお友達になれそうで、 一緒に旅をしたらとっても楽しそう!

Q13 旅の必需品やパッキングのこだわりはありますか?

色々歩いて回ったり、トレッキングなど運動するのも好きなのでスニーカーは必ず持っていきます。

旅中は現地の人のファッションやメイクを真似して、その地のライフスタイルで過ごすのが好きなので、服を現地で買うためにスーツケースは半分空で行きます。
スペインでは眉毛をかなり濃く書いてみたり、ハワイだとラフな服装でノーメイクで過ごしたり。
旅行の写真を振り返ると、現地に馴染んでるな〜と感じられて面白いです。 荷物はできるだけ軽くしたいので、アメニティは現地のスーパーに行って買うことも多いですね。

- 使用アイテム -
6 - 7日用

Q14 withコロナ時代の旅。価値観が変わったと感じることはありますか?

はい。自粛になり、自由に旅や移動ができなくなったからこそ、旅の価値を改めて実感しました。
本で読んだり人に聞いたことだけじゃなく、実際に自ら感じて体験することの重み。
自分で体験することによって好奇心を刺激され、自分の可能性を広げてくれたり、価値観をアップデートしてくれるような感覚になるんですよね。
自由に旅ができるようになったら、マナーを守りながら気持ちよく旅をしたいですね。

自粛期間中に人となかなか会えなかったこともあり、本を読むことが増え、色んなジャンルの本を読んでいます。子育てに追われて同じことの繰り返しが多かったので、本を読んで新しい世界や知識をインプットして、会話のきっかけ作りにしたり、伝えたいことを自分らしく話したり、アウトプットできるように心がけています。

Megumi’s Comment

生活様式が変わりつつある中、住むように旅をしたり、拠点を複数もったりするライフスタイルも現実的になってきた。今だからこそ、ライフスタイルについて掘り下げて、今までの価値観や自分自身を見つめ直すことも悪くない気がします。

Q15 これから行ってみたいところ、挑戦してみたいことはありますか?

旅ができるようになったら娘もまだ小さいのでまずは国内から沢山旅をしていきたいです!行った事が無くて1番気になっているのは秋田県。
沖縄とはまた違った文化だと思うので、人も食も興味があります。まだ知り合いはいないけれど、色んな人と仲良くなってローカルな生活も見てみたいですね。

挑戦したい事だと、本格的な身体作りです(笑)。運動が苦手なのですが、30歳を過ぎて健康でいる事の大事さを感じたので、フットワーク軽く旅をしていくためにも体力作りをしていきたいです。
場所を問わずできるヨガにも少し興味があって、現地の朝日や夕日を浴びながら身体をほぐして気持ちいい旅をしたいなと思っています。

Q16 最後に、セシルさんにとって「旅」とはなんですか?

消えない宝物!
”モノ”ではなく、思い出や経験としてずっと残る大切な時間なので。

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2~3日旅行用 (機内持ち込み用)

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