- 境界線を持たないライフスタイルを
選択したわたしたちの生き方 -
【WE ARE BORDERLESS】KIRA
人生に境界線はない
時代の移り変わりと共に
新しい働き方が模索され
ライフスタイルの選択肢が増え
多様な価値観が受け入れらようになったいま
既存の枠に囚われない
ひとりひとりが自分らしくいられる
柔軟なライフスタイルが少しずつ注目されている
この連載はそんなライフスタイルを送る方たちにフォーカスし、
インタビューを通して見えてくる新しい価値観、
その出会いとストーリーを解き明かす
- 境界線を持たないライフスタイルを選択したわたしたちの生き方 -
人生に境界線はない
時代の移り変わりと共に
新しい働き方が模索され
ライフスタイルの選択肢が増え
多様な価値観が受け入れらようになったいま
既存の枠に囚われない
ひとりひとりが自分らしくいられる
柔軟なライフスタイルが少しずつ注目されている
この連載はそんなライフスタイルを送る方たちにフォーカスし、
インタビューを通して見えてくる新しい価値観、
その出会いとストーリーを解き明かす
- 境界線を持たないライフスタイルを選択したわたしたちの生き方 -
人生に境界線はない
時代の移り変わりと共に
新しい働き方が模索され
ライフスタイルの選択肢が増え
多様な価値観が受け入れらようになったいま
既存の枠に囚われない
ひとりひとりが自分らしくいられる
柔軟なライフスタイルが少しずつ注目されている
この連載はそんなライフスタイルを送る方たちにフォーカスし、
インタビューを通して見えてくる新しい価値観、
その出会いとストーリーを解き明かす
第3回目は、”サステナブル”をテーマに、雑誌veggy編集長吉良さおりさんにインタビュー
ヨーロッパ留学をきっかけにオーガニックなライフスタイルに出会い、日本に帰国後そのカルチャーを広めるために日本初のプラントベースライフスタイル誌「veggy」を創刊。
現在はホリスティックからマクロビオティック、スーパーフードに至るまで様々なライフスタイルや食スタイルを実践&発信。
そんな好奇心旺盛で行動力のある彼女が語る旅を通して出会った
新しいライフスタイル、そのストーリーとは?
吉良 さおり
お住まい:東京
職業:メディアカンパニー代表(キラジェンヌ株式会社)
趣味:ガーデニング 他
好きな国:スリランカ、インド、バリなどの南国、ヨーロッパ全般
座右の銘:見たいと思う世界の変化にあなた自身がなりなさい
Q1. オーガニックな食生活やライフスタイルに興味を持ったきっかけはなんですか?
わたしにとって人生初めての海外となる、イギリスでのとある出会いがきっかけでした。
元々小さい頃からお肉が苦手で食べなかったため、当時は珍しがられることも多かった。そんなわたしを待っていたのは、偶然なのか、運命なのか、オーガニック食材を中心とする食生活を送っているホストマザーでした。
あるとき、太りたくなくて人工甘味料が入っているカロリーゼロの飲み物を飲んでいたら、ホストマザーから添加物が入っている食品は健康に悪いということを指摘されたんです。
それをきっかけに食に興味を持ち、ホストマザーにオーガニックのマルシェやベジ対応のレストランやカフェなどに連れて行ってもらい、安全な食材や調味料がどうやって作られて生産されているのか、食の安全性を学び、食の本質を知りました。家で作ってくれるベジ料理も種類が多くてとても勉強になりました。
ちなみにイギリスはベジタリアン発祥の地と言われていて、わたしが留学した28年前の当時から、今ほどではありませんがベジタリアンカフェもいくつかありました。個人店では基本的に、お肉や魚を使わないベジタリアン向け料理も用意してくれるところが多かったです。
Q2. イギリスのホストマザーとの出会いによって新たな食スタイルに出会えたのですね!その後フランスへ留学してマクロビオティックに出会い、さらにベジタリアンカルチャーへの理解が深まったそうですね。
はい。イギリス留学で一気に理解が深まったものの、まだなんとなくだったベジタリアン生活。それが変わったのが、フランス留学でした。留学中に肌が酷く荒れてしまったことがあり、その時友人に教えてもらって行った自然食品店が、偶然マクロビオティックがコンセプトのお店だったんです。
マクロビオティックとは日本の食医の石塚左玄の食養生がベースで、それを学んだ桜沢如一氏がよりモダンに体系化し、世界中に広めた食事療法です。身土不二(ローカルフードを意識して季節の食材を取り入れること)を意識し、心身含めて陰陽のバランスを中庸に保つ食事法であり、ライフスタイルのひとつです。
オーガニックな食べ物に変えたり、乳製品をやめたら悩んでいた肌荒れも治ったので自分には合っていなかったんだろうなと気づくことができました。
フランスでは、語学の勉強と並行してお菓子作りを学びたくなり料理学校にも通っていました。豊かな食文化があるフランスは、やはり地方によって料理にも色んな表情があると感じました。西洋の豊かなハーブ使いのレシピや伝統的なお菓子作りなど、とても学びが多かったです。
veggyでもヴィーガンスイーツのことを発信していますが、お菓子からベジタリアンライフスタイルに入る人も多いので、その時の出会いと経験が今のお仕事にも深くつながっていると感じます。
Q3. 日本帰国後にveggyを創刊されましたが、そのきっかけは?
veggyを創刊した2008年は、プラントベースの食生活や環境のことを意識したライフスタイルはまだ一般的ではない時代。ヴィーガンやエコなライフスタイルは”ストイック”と思われることが多くて敷居が高いイメージでした。
でも食生活をヘルシーにすると、病気になる機会が減って健康になり、活動できる時間が増える。そうなると家族と過ごす時間も増えるし、それぞれのやりたいことをもっと謳歌できる充実した人生に繋がる。それをもっと一般的に、誰でも生活に取り入れられるようにしたい。
*veggy 最新号
それと同時に、自分がこの先何をして生きていきたいのかということをふと考えた時に、わたしに発信できるのはこれだ!と思い立ち、さらに身近な人々の協力もあってスタートできました。
あとは食生活やライフスタイルの変化によって自然と環境のことにも意識を向けるようになるので、結果的に持続可能な未来へと貢献して、子供たちの未来も明るくなるのではないかと信じています。
Q4. 環境保護や動物愛護って結構排他的で”エコなことをしないといけない”ってストイックになりがちですが、”自分が心地よく過ごすためにそうする”くらいの感覚だと気軽ですし、一番健康的で持続可能な感じがしますね!吉良さんが実践・推進しているプラントベースのライフスタイルとは?
まず大前提として、”食べ物は自分の身体を作るもの”として捉えています。
基本的に身体に良いオーガニックな野菜や果物、食品を摂ることを心がけています。そういった食生活を送ることで自分の身体も思考もクリアにしてくれ、心身共に濁りをとってくれます。
veggyで提唱しているプラントベースのライフスタイルは健康で生命力に溢れている人という意味のベジタス(vegetus)が基本なので、いわゆる西洋から始まった動物愛護の観点から説かれるヴィーガニズムとはまた違います。どちらかというと仏教の殺生をしない(アヒムサ)という考え方の方が近いのですが、そもそも動物を食べなければ結果として動物虐待にはつながりにくくなりますから、できる限り生き物から搾取しない食やライフスタイルを中心とする視点からの発信をしています。
Q5. とっても共感します〜!妊娠を機にわたし(Megumi)も気まぐれプラントベースの食生活をしていますが、どんどん体も心も頭もスッキリして感覚が敏感になって行くのを感じます。プラントベースのライフスタイルについて発信することでどんなメッセージや想いを届けたいですか?
veggyを創刊してから、色んな方と出会ってお話するようになりました。食生活を改めて気をつけていても、病気がよくならない人もいて、そういった方はストレスなど何かしら心に問題を抱えていたりしました。心身一体と言われる通り、心が弱っていたら体も弱ってしまうことが多いんです。
なのでveggyではマインドフルネス的な発信にも力を入れています。
物理の話になってしまいますが、世界に存在する全てのものは素粒子でできていて、その素粒子は常に波を打って動いている、要するに粒子であり波動なんです。それは私たちの身体も同じで、常に変動していきますから、ただ放っていると何処かへ偏っていってしまう可能性があります。
それがどこに偏っているかは人によって違います。だから自分自身で意識して、できるだけ軸をゼロに近いところまで戻してあげることが大切です。マインドフルネスが最近流行っているのもそういった理由が多い気がします。瞑想することで目的意識が明確になって、本来自分に必要なものがわかりやすくなるんです。
食生活やマインドの乱れは、物が溢れて部屋が散らかっているとなんとなく落ち着かないな、と感じることと似ているかもしれませんね。物が少なく整理整頓された部屋にいると、自分の気持ちにどことなく余裕ができて思考もクリアになる。
誰もが心身のバランスを中庸に保ち、それぞれがやりたいことをできるライフスタイルが送れるといいですよね。
Q6. これもめちゃくちゃ共感。私も常に”いかに自分が乱れない心地よい自分を保てるか”をかなり意識して過ごしています。吉良さんにとって心地の良い暮らしってどういうこと
私は子供の頃は大分の山に囲まれた大自然の中で育ったので、旅をしたり、自然の中にいることで自分自身が自然体でいられると感じます。逆に自然と切り離されると体調が乱れますね(笑)
今は都内で暮らしていますが、お庭があるので趣味のガーデニングをしている時間に癒されています。
Q7. わかります!忙しいと体も心も、頭の中もグチャグチャになりがちだけど、私はそういう時こそ旅に出たくなります。旅に出るとフラットに戻れるし、自分の軸を再確認できる、まさにセルフケア的な感覚。吉良さんも、留学をきっかけに世界各地にひとり旅をしているそうですが、どんな旅が好きですか?
自然の中で、ウォーキングやハイキングなど何かしらのアクティビティーや体験ができる場所や、環境や食事などに配慮したホテルや宿を選んでいます。北海道の知床や鹿児島県の屋久島など、現地の方が自然を守っているところが好きです。ニュージーランドなど海外の自然も素敵ですが、日本って自然のままのワイルドな温泉が当たり前にあったり、北海道から沖縄まで雰囲気も景色も違って面白いですよね。
海外では自家発電しているホテルや宿もあるのでそういうところに泊まるようにしています。フィンランドのヘルシンキでは割と中心部の大きいホテルも自家発電でびっくりしました。あとは朝食にヴィーガンオプションがあるところを選んでいますね。
Q8. 自然の中で過ごすと癒されますよね〜!サステナブルな旅をするために実践していることや、私たちがすぐ実践できることはなんでしょうか?オススメの旅先も教えてください!
オススメは数えきれないくらいありますが、ヨーロッパのマナーハウス*滞在がオススメ。場所によっては、敷地にあるファームで取れた食材を使った料理をレストランで提供する”Farm to Restaurant”もあって、健康的で新鮮なローカル食体験ができます。他にもワインを作っていたり、ハーブを売っていたりローカル食材などを使ったクラフト体験もできて楽しいですね。
*マナーハウス = 昔の貴族が住んでいたお城や邸宅を改装した宿泊施設
お子さんがいる方は、インドネシア・バリ島のグリーンスクールが面白いかもしれません。夏休みにはキッズキャンプを開催していて、世界中から子供が集まります。施設で必要なほとんどを自然エネルギーで供給しているエコスクールで、建物は成長が早いサステナブルな竹でできていたり、トイレがコンポストだったり、子供たちがキャンプを通して自然環境のことを勉強できるようになっています。朝5時に起きてお祈りに参加したり、文化的なことも学べるのが特徴です。子供だけでなく、大人も集まって家族みんなで参加する方もいます。
Q9. veggyの創刊以外でも、これまでの「旅」がご自身のキャリアや人生観に影響を与えていると感じることはありますか?
沢山あります。若い頃は無駄のように思える一人旅も沢山してきましたが、今思いおこすと無駄なことは一つもありませんでした。知らない文化に触れ、他国の人々と知り合うことで、さまざまな事に理解が深まり、自分の中の小さな偏見がひとつひとつ消えていく感覚を20代で感じました。百聞は一見にしかずで、自分が本やガイドブックで読んだ事とは全く違っていたことも沢山ありました。書いている人の主観が少なからず入っていることもあるので誰かの話よりも、自分自身が経験して感じることが一番大切だと思っています。旅は気づきやチャンスが沢山あり、経験という自分への投資でもあると思っています。
2017年には、「セレンディピティ」を創刊しました。セレンディップ・トラベルのテーマは「人生をより豊かにする旅」です。豊かさの価値観が急激に変化している今こそ、自分自身を内観してあらゆる気づきを高めることが必要だと感じています。こちらは現在休刊していますが残したくて、雑誌veggy内に旅コラムとして残しています。
Q10. 旅って本当に気づきが多いですよね。今はネットでなんでも知れる時代ですが、知るのと経験するのは全く別物だなと年を重ねるごとに感じます。吉良さんにとって旅の醍醐味とは?
旅を通していろんなことを知れば知るほど、枠に囚われずに考え方が自由になること。
自分の過去の経験と新しい経験を比較して選択肢が増えることで、答えはひとつじゃなくて、それぞれの答えがあるんだと言うことに気づかされます。
海外では日常的に話し合いや議論することが多いので、気をつかって自分の言いたいことを言えずに終わることもないし、色んな意見交換ができてとても勉強になると感じます。私も子供に対してのコミュニケーションで、わからないことをわからないで終わらせなかったり、小さな質問も適当に流さず丁寧に向き合うようにしています。
Q11. “答えはひとつじゃない”、とても共感します。みんな違ってみんないい。周りがどうだからじゃなくて自分がどうしたいか、まさにそんな時代が来たなと感じます。
最後に、吉良さんのこれからの目標などがあれば教えてください。
基本的にゴールは決めていませんが、引き続きいま少しブームになっているベジタリアンやプラントベースの啓蒙活動や様々な企業のコンサルティングなども行っていきたいと考えています。ブームって気をつけないと間違った方向に行ってしまうこともあると感じています。
例えば、近年ベジミートが流行っていますが、添加物が入っていたりする食品もあります。生産者側は無意識のうちに、添加物は加工過程で入れなければいけないものと認識していることもありますが、実は必要なかったり、添加することで栄養価などが本末転倒になってしまう可能性があります。
veggyでは体に害のある可能性が高いとされる添加物が入っているものは基本的に掲載NGにしていて、その旨を伝えるとみなさん驚かれるんですが、2年後にメーカーの方が戻ってきて、添加物を入れない食品を作ったよ!っておっしゃってくれるととっても嬉しいですね。もっと根本的、本質的に安全なものがみなさんの手に届くように、ライフワークとしてお手伝いができればと思っています。
- 最近よく耳にする、“サステナブル”という言葉。
元々は英語で「維持できる」「持続可能な」といった意味の言葉で、国連によって定められた2030年までに達成するべき17の目標「SDGs (Sustainable Development Goals)」を指す言葉としてもよく使われますが、なんとなく難しそうだと感じたり、環境問題に対する限定的なイメージをパッと思い浮かべる方も多いと思います。
でも実は、この目標の本質は、”同じ地球に暮らすわたしたちひとりひとりが自分らしく幸せに生きられる世界”を実現すること。
そのためには、環境問題の解決だけではなく、すべての人が質の良い教育を受けられること、”性”という枠にとらわれない自分を表現できるジェンダー平等な世界を作ること、人や国の貧困などの問題にも向き合い、未来のわたしたちにもバトンを渡せるように持続可能な場所にしていくことが大切。
こう書くととっても難しく感じますが、この目標は、それぞれが置かれている立場や環境によって何通りもの捉え方があって、それぞれできることが違うのが面白いところ。
だからこそ、ひとりひとりが自分らしく幸せに生きられるよう、これからの未来に向けて自分にできることを考えて行動することが大切なのではないかな、とAwwは信じています。
第3回目は、”サステナブル”をテーマに、雑誌veggy編集長の吉良さおりさんにインタビュー。
ヨーロッパ留学をきっかけにオーガニックなライフスタイルに出会い、日本に帰国後そのカルチャーを広めるために日本初のプラントベースライフスタイル誌「veggy」を創刊。
現在はホリスティックからマクロビオティック、スーパーフードに至るまで様々なライフスタイルや食スタイルを実践&発信。
そんな好奇心旺盛で行動力のある彼女が語る旅を通して出会った新しいライフスタイル、
そのストーリーとは?
吉良 さおり
お住まい:東京
職業:メディアカンパニー代表(キラジェンヌ株式会社)
趣味:ガーデニング 他
好きな国:スリランカ、インド、バリなどの南国、ヨーロッパ全般
座右の銘:見たいと思う世界の変化にあなた自身がなりなさい
Q1. オーガニックな食生活やライフスタイルに興味を持ったきっかけはなんですか?
わたしにとって人生初めての海外となる、イギリスでのとある出会いがきっかけでした。
元々小さい頃からお肉が苦手で食べなかったため、当時は珍しがられることも多かった。そんなわたしを待っていたのは、偶然なのか、運命なのか、オーガニック食材を中心とする食生活を送っているホストマザーでした。
あるとき、太りたくなくて人工甘味料が入っているカロリーゼロの飲み物を飲んでいたら、ホストマザーから添加物が入っている食品は健康に悪いということを指摘されたんです。
それをきっかけに食に興味を持ち、ホストマザーにオーガニックのマルシェやベジ対応のレストランやカフェなどに連れて行ってもらい、安全な食材や調味料がどうやって作られて生産されているのか、食の安全性を学び、食の本質を知りました。家で作ってくれるベジ料理も種類が多くてとても勉強になりました。
ちなみにイギリスはベジタリアン発祥の地と言われていて、わたしが留学した28年前の当時から、今ほどではありませんがベジタリアンカフェもいくつかありました。個人店では基本的に、お肉や魚を使わないベジタリアン向け料理も用意してくれるところが多かったです。
Q2. イギリスのホストマザーとの出会いによって新たな食スタイルに出会えたのですね!その後フランスへ留学してマクロビオティックに出会い、さらにベジタリアンカルチャーへの理解が深まったそうですね。
はい。イギリス留学で一気に理解が深まったものの、まだなんとなくだったベジタリアン生活。それが変わったのが、フランス留学でした。留学中に肌が酷く荒れてしまったことがあり、その時友人に教えてもらって行った自然食品店が、偶然マクロビオティックがコンセプトのお店だったんです。
マクロビオティックとは日本の食医の石塚左玄の食養生がベースで、それを学んだ桜沢如一氏がよりモダンに体系化し、世界中に広めた食事療法です。身土不二(ローカルフードを意識して季節の食材を取り入れること)を意識し、心身含めて陰陽のバランスを中庸に保つ食事法であり、ライフスタイルのひとつです。
オーガニックな食べ物に変えたり、乳製品をやめたら悩んでいた肌荒れも治ったので自分には合っていなかったんだろうなと気づくことができました。
フランスでは、語学の勉強と並行してお菓子作りを学びたくなり料理学校にも通っていました。豊かな食文化があるフランスは、やはり地方によって料理にも色んな表情があると感じました。西洋の豊かなハーブ使いのレシピや伝統的なお菓子作りなど、とても学びが多かったです。
veggyでもヴィーガンスイーツのことを発信していますが、お菓子からベジタリアンライフスタイルに入る人も多いので、その時の出会いと経験が今のお仕事にも深くつながっていると感じます。
Q3. 日本帰国後にveggyを創刊されましたが、そのきっかけは?
veggyを創刊した2008年は、プラントベースの食生活や環境のことを意識したライフスタイルはまだ一般的ではない時代。ヴィーガンやエコなライフスタイルは”ストイック”と思われることが多くて敷居が高いイメージでした。
でも食生活をヘルシーにすると、病気になる機会が減って健康になり、活動できる時間が増える。そうなると家族と過ごす時間も増えるし、それぞれのやりたいことをもっと謳歌できる充実した人生に繋がる。それをもっと一般的に、誰でも生活に取り入れられるようにしたい。
*veggy 最新号
それと同時に、自分がこの先何をして生きていきたいのかということをふと考えた時に、わたしに発信できるのはこれだ!と思い立ち、さらに身近な人々の協力もあってスタートできました。
あとは食生活やライフスタイルの変化によって自然と環境のことにも意識を向けるようになるので、結果的に持続可能な未来へと貢献して、子供たちの未来も明るくなるのではないかと信じています。
Q4. 環境保護や動物愛護って結構排他的で”エコなことをしないといけない”ってストイックになりがちですが、”自分が心地よく過ごすためにそうする”くらいの感覚だと気軽ですし、一番健康的で持続可能な感じがしますね!吉良さんが実践・推進しているプラントベースのライフスタイルとは?
まず大前提として、”食べ物は自分の身体を作るもの”として捉えています。
基本的に身体に良いオーガニックな野菜や果物、食品を摂ることを心がけています。そういった食生活を送ることで自分の身体も思考もクリアにしてくれ、心身共に濁りをとってくれます。
veggyで提唱しているプラントベースのライフスタイルは健康で生命力に溢れている人という意味のベジタス(vegetus)が基本なので、いわゆる西洋から始まった動物愛護の観点から説かれるヴィーガニズムとはまた違います。どちらかというと仏教の殺生をしない(アヒムサ)という考え方の方が近いのですが、そもそも動物を食べなければ結果として動物虐待にはつながりにくくなりますから、できる限り生き物から搾取しない食やライフスタイルを中心とする視点からの発信をしています。
Q5. とっても共感します〜!妊娠を機にわたし(Megumi)も気まぐれプラントベースの食生活をしていますが、どんどん体も心も頭もスッキリして感覚が敏感になって行くのを感じます。プラントベースのライフスタイルについて発信することでどんなメッセージや想いを届けたいですか?
veggyを創刊してから、色んな方と出会ってお話するようになりました。食生活を改めて気をつけていても、病気がよくならない人もいて、そういった方はストレスなど何かしら心に問題を抱えていたりしました。心身一体と言われる通り、心が弱っていたら体も弱ってしまうことが多いんです。
なのでveggyではマインドフルネス的な発信にも力を入れています。
物理の話になってしまいますが、世界に存在する全てのものは素粒子でできていて、その素粒子は常に波を打って動いている、要するに粒子であり波動なんです。それは私たちの身体も同じで、常に変動していきますから、ただ放っていると何処かへ偏っていってしまう可能性があります。
それがどこに偏っているかは人によって違います。だから自分自身で意識して、できるだけ軸をゼロに近いところまで戻してあげることが大切です。マインドフルネスが最近流行っているのもそういった理由が多い気がします。瞑想することで目的意識が明確になって、本来自分に必要なものがわかりやすくなるんです。
食生活やマインドの乱れは、物が溢れて部屋が散らかっているとなんとなく落ち着かないな、と感じることと似ているかもしれませんね。物が少なく整理整頓された部屋にいると、自分の気持ちにどことなく余裕ができて思考もクリアになる。
誰もが心身のバランスを中庸に保ち、それぞれがやりたいことをできるライフスタイルが送れるといいですよね。
Q6. これもめちゃくちゃ共感。私も常に”いかに自分が乱れない心地よい自分を保てるか”をかなり意識して過ごしています。吉良さんにとって心地の良い暮らしってどういうこと
私は子供の頃は大分の山に囲まれた大自然の中で育ったので、旅をしたり、自然の中にいることで自分自身が自然体でいられると感じます。逆に自然と切り離されると体調が乱れますね(笑)
今は都内で暮らしていますが、お庭があるので趣味のガーデニングをしている時間に癒されています。
Q7. わかります!忙しいと体も心も、頭の中もグチャグチャになりがちだけど、私はそういう時こそ旅に出たくなります。旅に出るとフラットに戻れるし、自分の軸を再確認できる、まさにセルフケア的な感覚。吉良さんも、留学をきっかけに世界各地にひとり旅をしているそうですが、どんな旅が好きですか?
自然の中で、ウォーキングやハイキングなど何かしらのアクティビティーや体験ができる場所や、環境や食事などに配慮したホテルや宿を選んでいます。北海道の知床や鹿児島県の屋久島など、現地の方が自然を守っているところが好きです。ニュージーランドなど海外の自然も素敵ですが、日本って自然のままのワイルドな温泉が当たり前にあったり、北海道から沖縄まで雰囲気も景色も違って面白いですよね。
海外では自家発電しているホテルや宿もあるのでそういうところに泊まるようにしています。フィンランドのヘルシンキでは割と中心部の大きいホテルも自家発電でびっくりしました。あとは朝食にヴィーガンオプションがあるところを選んでいますね。
Q8. 自然の中で過ごすと癒されますよね〜!サステナブルな旅をするために実践していることや、私たちがすぐ実践できることはなんでしょうか?オススメの旅先も教えてください!
オススメは数えきれないくらいありますが、ヨーロッパのマナーハウス*滞在がオススメ。場所によっては、敷地にあるファームで取れた食材を使った料理をレストランで提供する”Farm to Restaurant”もあって、健康的で新鮮なローカル食体験ができます。他にもワインを作っていたり、ハーブを売っていたりハーブやオリーブなどを使ったクラフト体験もできて楽しいですね。
*マナーハウス = 昔の貴族が住んでいたお城や邸宅を改装した宿泊施設
お子さんがいる方は、インドネシア・バリ島のグリーンスクールが面白いかもしれません。夏休みにはキッズキャンプを開催していて、世界中から子供が集まります。施設で必要なほとんどを自然エネルギーで供給しているエコスクールで、建物は成長が早いサステナブルな竹でできていたり、トイレがコンポストだったり、子供たちがキャンプを通して自然環境のことを勉強できるようになっています。朝5時に起きてお祈りに参加したり、文化的なことも学べるのが特徴です。子供だけでなく、大人も集まって家族みんなで参加する方もいます。
Q9. veggyの創刊以外でも、これまでの「旅」がご自身のキャリアや人生観に影響を与えていると感じることはありますか?
沢山あります。若い頃は無駄のように思える一人旅も沢山してきましたが、今思いおこすと無駄なことは一つもありませんでした。知らない文化に触れ、他国の人々と知り合うことで、さまざまな事に理解が深まり、自分の中の小さな偏見がひとつひとつ消えていく感覚を20代で感じました。百聞は一見にしかずで、自分が本やガイドブックで読んだ事とは全く違っていたことも沢山ありました。書いている人の主観が少なからず入っていることもあるので誰かの話よりも、自分自身が経験して感じることが一番大切だと思っています。旅は気づきやチャンスが沢山あり、経験という自分への投資でもあると思っています。
2017年には、「セレンディピティ」を創刊しました。セレンディップ・トラベルのテーマは「人生をより豊かにする旅」です。豊かさの価値観が急激に変化している今こそ、自分自身を内観してあらゆる気づきを高めることが必要だと感じています。こちらは現在休刊していますが残したくて、雑誌veggy内に旅コラムとして残しています。
Q10. 旅って本当に気づきが多いですよね。今はネットでなんでも知れる時代ですが、知るのと経験するのは全く別物だなと年を重ねるごとに感じます。吉良さんにとって旅の醍醐味とは?
旅を通していろんなことを知れば知るほど、枠に囚われずに考え方が自由になること。
自分の過去の経験と新しい経験を比較して選択肢が増えることで、答えはひとつじゃなくて、それぞれの答えがあるんだと言うことに気づかされます。
海外では日常的に話し合いや議論することが多いので、気をつかって自分の言いたいことを言えずに終わることもないし、色んな意見交換ができてとても勉強になると感じます。私も子供に対してのコミュニケーションで、わからないことをわからないで終わらせなかったり、小さな質問も適当に流さず丁寧に向き合うようにしています。
Q11. “答えはひとつじゃない”、とても共感します。みんな違ってみんないい。周りがどうだからじゃなくて自分がどうしたいか、まさにそんな時代が来たなと感じます。
最後に、吉良さんのこれからの目標などがあれば教えてください。
基本的にゴールは決めていませんが、引き続きいま少しブームになっているベジタリアンやプラントベースの啓蒙活動や様々な企業のコンサルティングなども行っていきたいと考えています。ブームって気をつけないと間違った方向に行ってしまうこともあると感じています。
例えば、近年ベジミートが流行っていますが、添加物が入っていたりする食品もあります。生産者側は無意識のうちに、添加物は加工過程で入れなければいけないものと認識していることもありますが、実は必要なかったり、添加することで栄養価などが本末転倒になってしまう可能性があります。
veggyでは体に害のある可能性が高いとされる添加物が入っているものは基本的に掲載NGにしていて、その旨を伝えるとみなさん驚かれるんですが、2年後にメーカーの方が戻ってきて、添加物を入れない食品を作ったよ!っておっしゃってくれるととっても嬉しいですね。もっと根本的、本質的に安全なものがみなさんの手に届くように、ライフワークとしてお手伝いができればと思っています。
- 最近よく耳にする、“サステナブル”という言葉。
元々は英語で「維持できる」「持続可能な」といった意味の言葉で、国連によって定められた2030年までに達成するべき17の目標「SDGs (Sustainable Development Goals)」を指す言葉としてもよく使われますが、なんとなく難しそうだと感じたり、環境問題に対する限定的なイメージをパッと思い浮かべる方も多いと思います。
でも実は、この目標の本質は、”同じ地球に暮らすわたしたちひとりひとりが自分らしく幸せに生きられる世界”を実現すること。
そのためには、環境問題の解決だけではなく、すべての人が質の良い教育を受けられること、”性”という枠にとらわれない自分を表現できるジェンダー平等な世界を作ること、人や国の貧困などの問題にも向き合い、未来のわたしたちにもバトンを渡せるように持続可能な場所にしていくことが大切。
こう書くととっても難しく感じますが、この目標は、それぞれが置かれている立場や環境によって何通りもの捉え方があって、それぞれできることが違うのが面白いところ。
だからこそ、ひとりひとりが自分らしく幸せに生きられるよう、これからの未来に向けて自分にできることを考えて行動することが大切なのではないかな、とAwwは信じています。
第3回目は、”サステナブル”をテーマに、雑誌veggy編集長の吉良さおりさんにインタビュー。
ヨーロッパ留学をきっかけにオーガニックなライフスタイルに出会い、日本に帰国後そのカルチャーを広めるために日本初のプラントベースライフスタイル誌「veggy」を創刊。
現在はホリスティックからマクロビオティック、スーパーフードに至るまで様々なライフスタイルや食スタイルを実践&発信。
そんな好奇心旺盛で行動力のある彼女が語る旅を通して出会った新しいライフスタイル、
そのストーリーとは?
吉良 さおり
お住まい:東京
職業:メディアカンパニー代表(キラジェンヌ株式会社)
趣味:ガーデニング 他
好きな国:スリランカ、インド、バリなどの南国、ヨーロッパ全般
座右の銘:見たいと思う世界の変化にあなた自身がなりなさい
Q1. オーガニックな食生活やライフスタイルに興味を持ったきっかけはなんですか?
わたしにとって人生初めての海外となる、イギリスでのとある出会いがきっかけでした。
元々小さい頃からお肉が苦手で食べなかったため、当時は珍しがられることも多かった。そんなわたしを待っていたのは、偶然なのか、運命なのか、オーガニック食材を中心とする食生活を送っているホストマザーでした。
あるとき、太りたくなくて人工甘味料が入っているカロリーゼロの飲み物を飲んでいたら、ホストマザーから添加物が入っている食品は健康に悪いということを指摘されたんです。
それをきっかけに食に興味を持ち、ホストマザーにオーガニックのマルシェやベジ対応のレストランやカフェなどに連れて行ってもらい、安全な食材や調味料がどうやって作られて生産されているのか、食の安全性を学び、食の本質を知りました。家で作ってくれるベジ料理も種類が多くてとても勉強になりました。
ちなみにイギリスはベジタリアン発祥の地と言われていて、わたしが留学した28年前の当時から、今ほどではありませんがベジタリアンカフェもいくつかありました。個人店では基本的に、お肉や魚を使わないベジタリアン向け料理も用意してくれるところが多かったです。
Q2. イギリスのホストマザーとの出会いによって新たな食スタイルに出会えたのですね!その後フランスへ留学してマクロビオティックに出会い、さらにベジタリアンカルチャーへの理解が深まったそうですね。
はい。イギリス留学で一気に理解が深まったものの、まだなんとなくだったベジタリアン生活。それが変わったのが、フランス留学でした。留学中に肌が酷く荒れてしまったことがあり、その時友人に教えてもらって行った自然食品店が、偶然マクロビオティックがコンセプトのお店だったんです。
マクロビオティックとは日本の食医の石塚左玄の食養生がベースで、それを学んだ桜沢如一氏がよりモダンに体系化し、世界中に広めた食事療法です。身土不二(ローカルフードを意識して季節の食材を取り入れること)を意識し、心身含めて陰陽のバランスを中庸に保つ食事法であり、ライフスタイルのひとつです。
オーガニックな食べ物に変えたり、乳製品をやめたら悩んでいた肌荒れも治ったので自分には合っていなかったんだろうなと気づくことができました。
フランスでは、語学の勉強と並行してお菓子作りを学びたくなり料理学校にも通っていました。豊かな食文化があるフランスは、やはり地方によって料理にも色んな表情があると感じました。西洋の豊かなハーブ使いのレシピや伝統的なお菓子作りなど、とても学びが多かったです。
veggyでもヴィーガンスイーツのことを発信していますが、お菓子からベジタリアンライフスタイルに入る人も多いので、その時の出会いと経験が今のお仕事にも深くつながっていると感じます。
Q3. 日本帰国後にveggyを創刊されましたが、そのきっかけは?
veggyを創刊した2008年は、プラントベースの食生活や環境のことを意識したライフスタイルはまだ一般的ではない時代。ヴィーガンやエコなライフスタイルは”ストイック”と思われることが多くて敷居が高いイメージでした。
でも食生活をヘルシーにすると、病気になる機会が減って健康になり、活動できる時間が増える。そうなると家族と過ごす時間も増えるし、それぞれのやりたいことをもっと謳歌できる充実した人生に繋がる。それをもっと一般的に、誰でも生活に取り入れられるようにしたい。
*veggy 最新号
それと同時に、自分がこの先何をして生きていきたいのかということをふと考えた時に、わたしに発信できるのはこれだ!と思い立ち、さらに身近な人々の協力もあってスタートできました。
あとは食生活やライフスタイルの変化によって自然と環境のことにも意識を向けるようになるので、結果的に持続可能な未来へと貢献して、子供たちの未来も明るくなるのではないかと信じています。
Q4. 環境保護や動物愛護って結構排他的で”エコなことをしないといけない”ってストイックになりがちですが、”自分が心地よく過ごすためにそうする”くらいの感覚だと気軽ですし、一番健康的で持続可能な感じがしますね!吉良さんが実践・推進しているプラントベースのライフスタイルとは?
まず大前提として、”食べ物は自分の身体を作るもの”として捉えています。
基本的に身体に良いオーガニックな野菜や果物、食品を摂ることを心がけています。そういった食生活を送ることで自分の身体も思考もクリアにしてくれ、心身共に濁りをとってくれます。
veggyで提唱しているプラントベースのライフスタイルは健康で生命力に溢れている人という意味のベジタス(vegetus)が基本なので、いわゆる西洋から始まった動物愛護の観点から説かれるヴィーガニズムとはまた違います。どちらかというと仏教の殺生をしない(アヒムサ)という考え方の方が近いのですが、そもそも動物を食べなければ結果として動物虐待にはつながりにくくなりますから、できる限り生き物から搾取しない食やライフスタイルを中心とする視点からの発信をしています。
Q5. とっても共感します〜!妊娠を機にわたし(Megumi)も気まぐれプラントベースの食生活をしていますが、どんどん体も心も頭もスッキリして感覚が敏感になって行くのを感じます。プラントベースのライフスタイルについて発信することでどんなメッセージや想いを届けたいですか?
veggyを創刊してから、色んな方と出会ってお話するようになりました。食生活を改めて気をつけていても、病気がよくならない人もいて、そういった方はストレスなど何かしら心に問題を抱えていたりしました。心身一体と言われる通り、心が弱っていたら体も弱ってしまうことが多いんです。
なのでveggyではマインドフルネス的な発信にも力を入れています。
物理の話になってしまいますが、世界に存在する全てのものは素粒子でできていて、その素粒子は常に波を打って動いている、要するに粒子であり波動なんです。それは私たちの身体も同じで、常に変動していきますから、ただ放っていると何処かへ偏っていってしまう可能性があります。
それがどこに偏っているかは人によって違います。だから自分自身で意識して、できるだけ軸をゼロに近いところまで戻してあげることが大切です。マインドフルネスが最近流行っているのもそういった理由が多い気がします。瞑想することで目的意識が明確になって、本来自分に必要なものがわかりやすくなるんです。
食生活やマインドの乱れは、物が溢れて部屋が散らかっているとなんとなく落ち着かないな、と感じることと似ているかもしれませんね。物が少なく整理整頓された部屋にいると、自分の気持ちにどことなく余裕ができて思考もクリアになる。
誰もが心身のバランスを中庸に保ち、それぞれがやりたいことをできるライフスタイルが送れるといいですよね。
Q6. これもめちゃくちゃ共感。私も常に”いかに自分が乱れない心地よい自分を保てるか”をかなり意識して過ごしています。吉良さんにとって心地の良い暮らしってどういうこと
私は子供の頃は大分の山に囲まれた大自然の中で育ったので、旅をしたり、自然の中にいることで自分自身が自然体でいられると感じます。逆に自然と切り離されると体調が乱れますね(笑)
今は都内で暮らしていますが、お庭があるので趣味のガーデニングをしている時間に癒されています。
Q7. わかります!忙しいと体も心も、頭の中もグチャグチャになりがちだけど、私はそういう時こそ旅に出たくなります。旅に出るとフラットに戻れるし、自分の軸を再確認できる、まさにセルフケア的な感覚。吉良さんも、留学をきっかけに世界各地にひとり旅をしているそうですが、どんな旅が好きですか?
自然の中で、ウォーキングやハイキングなど何かしらのアクティビティーや体験ができる場所や、環境や食事などに配慮したホテルや宿を選んでいます。北海道の知床や鹿児島県の屋久島など、現地の方が自然を守っているところが好きです。ニュージーランドなど海外の自然も素敵ですが、日本って自然のままのワイルドな温泉が当たり前にあったり、北海道から沖縄まで雰囲気も景色も違って面白いですよね。
海外では自家発電しているホテルや宿もあるのでそういうところに泊まるようにしています。フィンランドのヘルシンキでは割と中心部の大きいホテルも自家発電でびっくりしました。あとは朝食にヴィーガンオプションがあるところを選んでいますね。
Q8. 自然の中で過ごすと癒されますよね〜!サステナブルな旅をするために実践していることや、私たちがすぐ実践できることはなんでしょうか?オススメの旅先も教えてください!
オススメは数えきれないくらいありますが、ヨーロッパのマナーハウス*滞在がオススメ。場所によっては、敷地にあるファームで取れた食材を使った料理をレストランで提供する”Farm to Restaurant”もあって、健康的で新鮮なローカル食体験ができます。他にもワインを作っていたり、ハーブを売っていたりローカル食材などを使ったクラフト体験もできて楽しいですね。
*マナーハウス = 昔の貴族が住んでいたお城や邸宅を改装した宿泊施設
お子さんがいる方は、インドネシア・バリ島のグリーンスクールが面白いかもしれません。夏休みにはキッズキャンプを開催していて、世界中から子供が集まります。施設で必要なほとんどを自然エネルギーで供給しているエコスクールで、建物は成長が早いサステナブルな竹でできていたり、トイレがコンポストだったり、子供たちがキャンプを通して自然環境のことを勉強できるようになっています。朝5時に起きてお祈りに参加したり、文化的なことも学べるのが特徴です。子供だけでなく、大人も集まって家族みんなで参加する方もいます。
Q9. veggyの創刊以外でも、これまでの「旅」がご自身のキャリアや人生観に影響を与えていると感じることはありますか?
沢山あります。若い頃は無駄のように思える一人旅も沢山してきましたが、今思いおこすと無駄なことは一つもありませんでした。知らない文化に触れ、他国の人々と知り合うことで、さまざまな事に理解が深まり、自分の中の小さな偏見がひとつひとつ消えていく感覚を20代で感じました。百聞は一見にしかずで、自分が本やガイドブックで読んだ事とは全く違っていたことも沢山ありました。書いている人の主観が少なからず入っていることもあるので誰かの話よりも、自分自身が経験して感じることが一番大切だと思っています。旅は気づきやチャンスが沢山あり、経験という自分への投資でもあると思っています。
2017年には、「セレンディピティ」を創刊しました。セレンディップ・トラベルのテーマは「人生をより豊かにする旅」です。豊かさの価値観が急激に変化している今こそ、自分自身を内観してあらゆる気づきを高めることが必要だと感じています。こちらは現在休刊していますが残したくて、雑誌veggy内に旅コラムとして残しています。
Q10. 旅って本当に気づきが多いですよね。今はネットでなんでも知れる時代ですが、知るのと経験するのは全く別物だなと年を重ねるごとに感じます。吉良さんにとって旅の醍醐味とは?
旅を通していろんなことを知れば知るほど、枠に囚われずに考え方が自由になること。
自分の過去の経験と新しい経験を比較して選択肢が増えることで、答えはひとつじゃなくて、それぞれの答えがあるんだと言うことに気づかされます。
海外では日常的に話し合いや議論することが多いので、気をつかって自分の言いたいことを言えずに終わることもないし、色んな意見交換ができてとても勉強になると感じます。私も子供に対してのコミュニケーションで、わからないことをわからないで終わらせなかったり、小さな質問も適当に流さず丁寧に向き合うようにしています。
Q11. “答えはひとつじゃない”、とても共感します。みんな違ってみんないい。周りがどうだからじゃなくて自分がどうしたいか、まさにそんな時代が来たなと感じます。
最後に、吉良さんのこれからの目標などがあれば教えてください。
基本的にゴールは決めていませんが、引き続きいま少しブームになっているベジタリアンやプラントベースの啓蒙活動や様々な企業のコンサルティングなども行っていきたいと考えています。ブームって気をつけないと間違った方向に行ってしまうこともあると感じています。
例えば、近年ベジミートが流行っていますが、添加物が入っていたりする食品もあります。生産者側は無意識のうちに、添加物は加工過程で入れなければいけないものと認識していることもありますが、実は必要なかったり、添加することで栄養価などが本末転倒になってしまう可能性があります。
veggyでは体に害のある可能性が高いとされる添加物が入っているものは基本的に掲載NGにしていて、その旨を伝えるとみなさん驚かれるんですが、2年後にメーカーの方が戻ってきて、添加物を入れない食品を作ったよ!っておっしゃってくれるととっても嬉しいですね。もっと根本的、本質的に安全なものがみなさんの手に届くように、ライフワークとしてお手伝いができればと思っています。
- 最近よく耳にする、“サステナブル”という言葉。
元々は英語で「維持できる」「持続可能な」といった意味の言葉で、国連によって定められた2030年までに達成するべき17の目標「SDGs (Sustainable Development Goals)」を指す言葉としてもよく使われますが、なんとなく難しそうだと感じたり、環境問題に対する限定的なイメージをパッと思い浮かべる方も多いと思います。
でも実は、この目標の本質は、”同じ地球に暮らすわたしたちひとりひとりが自分らしく幸せに生きられる世界”を実現すること。
そのためには、環境問題の解決だけではなく、すべての人が質の良い教育を受けられること、”性”という枠にとらわれない自分を表現できるジェンダー平等な世界を作ること、人や国の貧困などの問題にも向き合い、未来のわたしたちにもバトンを渡せるように持続可能な場所にしていくことが大切。
こう書くととっても難しく感じますが、この目標は、それぞれが置かれている立場や環境によって何通りもの捉え方があって、それぞれできることが違うのが面白いところ。
だからこそ、ひとりひとりが自分らしく幸せに生きられるよう、これからの未来に向けて自分にできることを考えて行動することが大切なのではないかな、とAwwは信じています。
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